2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791668
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
前田 和洋 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50548849)
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Keywords | Wntシグナル / 転移性骨腫瘍 |
Research Abstract |
RANKは、破骨細胞分化に必須の因子であるRANKLの受容体である。これまで、本申請者は、受容体型チロシンキナーゼであるRor2によって活性化されるWnt非古典経路が、マクロファージ上のRANKの発現を促進する事を報告してきた。一方、腫瘍細胞におけるRANKの発現は骨転移を促進するという報告がある。即ち、腫瘍細胞が発現するWntは自身にautocrine的に作用し、Wnt非古典経路を活性化しRANKの発現を誘導し骨転移を促進するという仮説が考えられた。 以上の背景より、平成24年度は骨に親和性のある株化癌細胞を用い実験を行ったが、これらの細胞におけるRANKの発現は、予想より高くなかった。そこで、平成25年度は新規に骨親和性のある株化癌細胞を入手し、実験を行った。乳癌細胞株は細胞株は、MDA-MB231、H2578およびMCF-7を、前立腺癌細胞株は、LnNCap、Du145およびPC3をそれぞれ用いた。これらの細胞株よりcDNAを調製し、リアルタイムPCRに供した。その結果、これらの細胞ではコントロールと比較してRANKを高発現していた。さらに、Wnt非古典経路を活性化する代表的なリガンドであるWnt5a、受容体であるRor1/2の発現も認めた。以上の結果より、腫瘍細胞が発現するWnt5aは自身のRor1/2に作用し、RANKの発現を誘導し骨転移を促進するという可能性が考えられた。現在、Wnt非古典経路の阻害剤やsiRNAを用いた実験を行っている。
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Research Products
(9 results)