2012 Fiscal Year Annual Research Report
抗CCP抗体陰性の関節リウマチ患者における特異的自己抗体の網羅的探索
Project/Area Number |
23791669
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩本 卓士 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10348675)
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Keywords | 関節リウマチ / 自己抗体 / 抗CCP抗体 / プロテインマイクロアレイ |
Research Abstract |
昨年度は1次スクリーニングとしてプロテインマイクロアレイにより抗CCP抗体陽性RA患者,抗CCP抗体陰性RA患者,および健常者各5例 の血清中に存在する自己抗体を網羅的に探索し,抗CCP抗体陰性RA患者に特異的に存在すると考えられる自己抗体の候補を抽出することを目的として研究を開始した. まずRAの診断が確定している抗CCP抗体陽性RA患者,抗CCP抗体陰性RA患者,健常者の血液を収集し,1次スクリーニングとして複数の遺伝子ファミリーに由来する約9000種のヒトタンパク質を高密度に配置したプロテインマイクロアレイであるProtoArray; Human Protein Microarray v5.0を用いて,血清中に存在する自己抗体の網羅的探索を行った.抗CCP抗体陰性RA患者と健常者間での比較検討が最も重要と考え,抗CCP抗体陰性RA患者7 例,および健常者7例の計14例にて解析を行った.これにより抗CCP抗体陰性RA患者に高発現している自己抗体が複数抽出され,これらは過去の報告にはないものであった. 本年度はさらに本結果を確証するために,2次スクリーニングとして抗CCP抗体陽性RA患者36例,抗CCP抗体陰性RA患者43例,健常者51例の計130検体の血液を,研究内容および試料採取に関する詳細な説明を患者本人に対して直接行いインフォームドコンセントのもとに収集した.これらに対してLUMINEXシステムを用いてビーズに候補自己抗体が認識する特異的抗原を固定し,蛍光標識2次抗体を用いることでサンプル中の抗体を同時に多数定量した.しかしながら今回の2次スクリーニングでは3群間に有意差は認められず,抗CCP抗体陰性RA患者に特異的と言える自己抗体の確定には至らなかった.1次スクリーニングにおけるサンプル数の限界が結果に影響しているものと考えている.
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