2012 Fiscal Year Research-status Report
特発性脊椎側弯症の遺伝子解析に基づいた進行予測因子の同定
Project/Area Number |
23791676
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Research Institution | Clinical research Center, National Hospital Organization Murayama Medical Center |
Principal Investigator |
八木 満 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター), 整形外科, 医長 (40338091)
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Keywords | 側弯症 / 連鎖解析 |
Research Abstract |
特発性側弯症の姉妹と側弯症を有さない両親から十分なインフォームドコンセントを得たうえで同意者より約20 mlの血液を採取し、血液中の白血球よりDNAを抽出した。これらのDNA検体を用いて、集団を対象とする相関解析を行った。具体的には、得られたサンプルから抽出したDNAをもちいた連鎖解析およびGene dropping, MDI解析から我々は既知の遺伝子座と同一の遺伝子座にSNPSを発見した。これらの遺伝子座はすでに報告があること、また、連鎖解析およびGene dropping, MDI解析いずれの解析でも疾患に特異的と判定できることからその信頼性が担保されていると考えられる。従来の解析とが染色体上の特定の領域までの同定であったのに比較し、今回我々はこれらの遺伝子座の特定の遺伝子にSNPがあることを新たに発見した。これらの遺伝子はいずれも動物モデルなどでその変異において体幹変形をおこすことが知られている、もしくは症候性側弯症の原因遺伝子として特定され得ている遺伝子である。われわれはこれらの遺伝子が家族性ではないより多くの特発性側弯症患者においても同一の遺伝子変異であるのかを確認するため、現在さらなる解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初のもくろみ通り遺伝子の採取およびその解析を平成24年度までにほぼ終了している。さらに、遺伝子座だけでなく、これら側弯症を持つ罹患同胞対に特異的な遺伝子のSNPを特定できたことは、今後のこれらの遺伝子を用いた機能解析において大変有用であると考えられる。これらの結果を他の人種間で確認する国際的共同研究も現在計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られた遺伝子の他の人種間での相違や再現性の検討に加えて、これらの遺伝子を動物モデルをも用いて機能解析および側弯症の程度とこれらの遺伝子の因果関係を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の目標はこの結果の論文および学術学会における発表と、他人種間におけるこれら遺伝子のSNPの発現確認および解析である。
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