2012 Fiscal Year Research-status Report
各種心肺停止時の心肺蘇生に対する内服β遮断薬の影響
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23791690
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
栗田 昭英 金沢大学, 大学病院, 助教 (10507081)
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Keywords | β遮断薬 |
Research Abstract |
エンドトキシンショック対するβ遮断薬の影響 ラットに一定期間β遮断薬を内服(えさに薬剤を混合して,循環動態およびβ遮断薬の血中濃度で薬効を確認)させた群と通常飼料群とに無作為にわけ,,各種カテーテル挿入後,一定の安定化期間をとった後に,エンドトキシンの静脈内投与によってエンドトキシンショックを作成する.以下の項目を観察評価した. 評価項目: 8 時間後の生存率,経過中の呼吸循環動態,血中サイトカイン値の変動,血中β遮断薬濃度で比較し,エンドトキシンショックにおけるβ遮断薬の影響について検討した. さらに,エンドトキシンショックよりも実臨床に近い盲腸結紮穿孔モデルでのβ遮断薬の影響を検討する必要が出てきたため,モデル作成を行った.400g前後のSDラットに,ペントバルビタール40mg/kgの腹腔内注射にて全身麻酔導入を行い,2cmの腹部正中切開を行う.盲腸を同定し,回盲部で腸閉塞を作らないように栄養血管を含めて結紮した(絞扼性イレウス).結紮された盲腸に18G針にて,腸間膜の対側側に2箇所穿刺する(腸管穿孔).これによって絞扼性イレウスから腸管穿孔を来したラット敗血症モデルとした.モデル作成のために,16匹のSDラットに盲腸結紮穿孔を行ったところ,75%のラットが死亡するモデルであることが判明した. エンドトキシンショックに対するβ遮断薬の影響に関しての論文は,現在投稿中であり,次年度には報告できると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的通り,順調に進展している. 出血性ショック,エンドトキシンショック,気道閉塞による心停止に対するβ遮断薬の影響については,概ね順調に実験が進んできた.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度,モデル作成に成功した盲腸結紮穿孔モデルを使用し,実臨床に近い形での敗血症モデルにおけるベータ遮断浴の影響を検討していく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ラット購入費,麻酔薬や薬剤の購入費,サイトカイン測定キット,海外学会への旅費,解析用ソフトの購入に適切に使用していく. 昨年度は,サイトカイン測定キットを前年度に購入したもので足りたため,未使用額が発生した.本年度は,追加の実験も行う予定であり,追加のラット購入費,サイトカイン測定キット購入費に昨年の未使用額を使用する予定である.
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