2013 Fiscal Year Annual Research Report
各種心肺停止時の心肺蘇生に対する内服β遮断薬の影響
Project/Area Number |
23791690
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
栗田 昭英 金沢大学, 大学病院, 助教 (10507081)
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Keywords | β遮断薬 |
Research Abstract |
1.大量出血による心肺停止に対するβ遮断薬の影響(H23): 出血性ショック導入前にβ遮断薬を内服していたラットでは,β遮断薬を内服していない群よりも有意に蘇生率も生存率も有意に低かった. 2.気道閉塞による心肺停止に対するβ遮断薬の影響(H23): 気道閉塞によって心肺停止を導入する前にβ遮断薬を内服していたラットでは,内服していなかったラットと比較して,気道閉塞から心停止に至るまでの時間,自己心拍再開率,生存率のいずれも有意に改善した. 3.エンドトキシンショックに対するβ遮断薬の影響(H24): エンドトキシンショックを導入する前にβ遮断薬を内服していたラットでは,内服していないラットと比較して有意に生存率が悪化した. 4.エンドトキシンショックは実際の臨床における敗血症ショックと様々な面での相違性が指摘されており,実際の敗血症に近い盲腸結紮穿刺モデルでの再検討の必要性が生じた. 盲腸結紮穿刺モデルにおけるβ遮断薬の影響(H25): 盲腸結紮穿刺による敗血症導入前にβ遮断薬を内服していたラットと内服していなかったラットでは,生存率に有意差を認めなかった.この理由についてはさらに検討が必要であるが,β遮断薬が明らかな悪影響をおよぼすとはいえないことがわかった.有意差は出ていないが,敗血症導入後12時間目の採血では血中乳酸値はβ遮断薬低用量投与群で高用量投与群よりも低い傾向があり,β遮断薬の低用量投与は高用量投与よりも循環不全が生じにくい可能性が示唆された.
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