2011 Fiscal Year Research-status Report
揮発性麻酔薬のターゲットとしてのカリウムチャネルとその分子機構
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23791691
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松木 悠佳 福井大学, 医学部, 助教 (10464083)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | カリウムチャネル / 麻酔薬 / 脂質平面膜 |
Research Abstract |
<脂質平面膜における単一チャネル電流記録と解析>カリウムチャネルには2種類のゲート(フィルタゲートとへリックスゲート)が直列に存在し、単一チャネル電流記録でみるゲーティング現象はどちらのゲートで起こっている現象かわからないため、片方のゲートを開放して、もう片方のゲートの開閉を観察するため、KcsAカリウムチャネルのフィルタゲートが開いたまま固定されている変異体であるE71AKcsAカリウムチャネルを作成した。E71A変異体では、フィルターが開いたままで固定されるため、ゲートのpHによる変化を電流記録し、解析した。酸性では(pH3-4)、開確率はほぼ100%であった。pHが5付近では開確率は50%となり、pH7.5では開確率は0%であった。(pKa=5.5,Hill係数2.2)単一チャネル電流記録から解析した開時間のヒストグラムと閉時間のヒストグラムから時定数を求めた。pH4.0では開時間は398ms、閉時間は0.3ms,1.78ms,31msであった。pH5.25では開時間は281ms、閉時間は0.16ms,50ms,562msであった。pH4.0では開時間は339ms、閉時間は0.25ms,15.8ms,1259msであった。これは、pHを上昇させていくと、開こうとする時間はゆっくりした成分が存在していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変異体の作成と、その変異体を用いた単一チャネル電流記録とゲートの解析についてはほぼできている。今後は、この解析を基に、実際に麻酔薬を投与し、カリウムチャネルのゲートの挙動について検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、脂質平面膜に静脈麻酔薬を濃度を変化させて投与し、それらがゲートの挙動に影響するか観察する。そのためには、細胞外側からなのか、細胞質側からなのかを判断するためにも細胞外と細胞質側からそれぞれ麻酔薬を投与してみる。それから濃度を変化させて、ゲートの挙動を明らかにする。その後、揮発性麻酔薬を用いて、濃度を変化させてゲート挙動を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
脂質平面膜法で使用する、ガラス(50-100μmの穴を開けたもの)の購入や、カリウムチャンネルタンパク質を作成するための遺伝子工学試薬・培地類の購入に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)