2011 Fiscal Year Research-status Report
カルシトニン遺伝子関連ペプチドファミリーとTRPV1による痛みのメカニズム
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23791698
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
石田 公美子 (松尾 公美子) 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (80467191)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | CGRPファミリー / TRPV1 / CGRP / アドレノメデュリン / 血管新生 |
Research Abstract |
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、痛みの伝達・修飾物質として重要であるが、その痛みの機序は不明である。本研究では、独自に作製されたノックアウトマウスを用いて、Transient receptor potential cation channel, subfamily V, member 1 (TRPV1) とCGRPファミリーであるCGRPやアドレノメデュリンとが痛みに関与しているメカニズムを明らかにして、カルシトニン受容体様受容体(CLR)と受容体活性調節タンパク(RAMP)をターゲットとした新たな鎮痛法の開発を目指している。本年度は、αCGRP遺伝子欠損マウスとCGRP受容体拮抗薬であるCGRP8-37を用いて、術後痛モデルおよび炎症性疼痛モデルを作製しその検討を行った。後肢足底皮膚を切開した術後痛モデルと炎症性疼痛モデルでの疼痛行動解析により、CGRPの関与が異なることが示された。すなわち、αCGRPは術後痛モデルでの自発痛・熱性痛覚過敏・機械性痛覚過敏には関与しなかったが、炎症性疼痛モデルでは、自発痛・熱性痛覚過敏に脊髄レベルで関与していた。CGRPはC線維から特異的に放出され、CGRP含有線維はTRPV1受容体を共発現しており、TRPV1活性化とCGRPとが関連している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、αCGRP遺伝子欠損マウスとCGRP受容体拮抗薬であるCGRP8-37を用いて、術後痛モデルおよび炎症性疼痛モデルを作製しその検討を行った。後肢足底皮膚を切開した術後痛モデルと炎症性疼痛モデルでの疼痛行動解析により、CGRPの関与が異なることが示された。すなわち、αCGRPは術後痛モデルでの自発痛・熱性痛覚過敏・機械性痛覚過敏には関与しなかったが、炎症性疼痛モデルでは、自発痛・熱性痛覚過敏に脊髄レベルで関与していた。CGRPはC線維から特異的に放出され、CGRP含有線維はTRPV1受容体を共発現しており、TRPV1活性化とCGRPとが関連している可能性が示唆されたことで、順調な進展と判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はαCGRP遺伝子欠損マウスとCGRP受容体拮抗薬であるCGRP8-37を用いて術後痛モデルと炎症性疼痛モデルを作製し、疼痛行動の解析を行い、TRPV1活性化とCGRPとが関連している可能性が示唆された。今後は、術後痛モデルや炎症性疼痛モデル、神経因性疼痛モデルなど各種疼痛モデルを作製し、脊髄や後根神経節の免疫染色を行い、カルシトニン遺伝子ペプチドファミリーであるCGRPやAM、CGRP受容体、TRPV1の発現を検討する。また電気生理学的手法による脊髄後角のニューロン機能変化の検討やウェスタンブロット法を用いた脊髄や後根神経節でのTRPV1の解析を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、炎症性疼痛モデル、術後痛モデルを作製し、行動解析を中心に行い、TRPV1とCGRPの関連が示唆された。本年度は行動解析を多く行ったため、当初計画で見込んだよりも安価に研究が完了した。次年度より本年度はあまり行わなかった免疫染色やウエスタンブロット法、電気生理学的手法による解析を行う予定であり、より多くの研究費の必要性が見込まれるため、本年度研究費と併せて使用する計画である。
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