2012 Fiscal Year Annual Research Report
長時間開腹手術に対する体幹部末梢神経ブロック二回注入法の検討
Project/Area Number |
23791701
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 康之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70351103)
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Keywords | 末梢神経ブロック / 腹横筋膜面ブロック / 腹直筋鞘ブロック / 開腹術 |
Research Abstract |
長時間の婦人科開腹術において、腹横筋膜面ブロック(執刀前に一回実施)と腹横筋膜面ブロック(執刀前)に腹直筋鞘ブロック(手術終了時に実施)を追加した場合の比較した。腹横筋膜面ブロックは0.3%ロピバカイン60mlで行い、腹直筋鞘ブロックは0.3%ロピバカイン40mlで行った。両群とも、術後鎮痛には、塩酸モルヒネ0.15mg/kgを手術終了30分前に静注し、塩酸モルヒネ静注による患者自己調節鎮痛法を行い、フルルビプロフェン1mg/kgを6時間毎に術後72時間まで行った。評価項目は、モルヒネ総使用量、術後2,4,6,24,48,72時間後の安静時および咳時の100mm - Visual analogue scales(VAS)、AUC of VAS、嘔気嘔吐の発生頻度とした。血漿ロピバカイン濃度をブロック後 0, 15, 30, 45, 60, 120min、術後4, 24hの時点でで測定した。患者背景に有意差なし。手術時間はS群で277±59分、D群272 ±51分(P=0.73)。モルヒネ総使用量は有意差がなかった。安静時のAUC of VASも有意差がなかった(P = 0.23)。S,D群の安静時VASは交互作用がなく(P = 0.97)、群間にも有意差がなかった(P = 0.76)。咳時のAUC of VASはD群は有意差意差があるとはいえなかった(P = 0.76)。悪心嘔吐の発生率は有意差はなかった(P= 0.85)血漿ロピバカイン濃度の推移は、初回注入後から経時的に増加し、60分後に最高血漿濃度に達した。二回目の注入では増加しなかった。今回、手術時間が長くなった場合に、二回目の体幹の神経ブロックを行っても、長時間作用性ロピバカインの血漿濃度が局所麻酔薬中毒域に達することはなかった。しかし、痛みは執刀前に一回行う場合と同じ程度であることが明らかになった。
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Research Products
(11 results)