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2011 Fiscal Year Research-status Report

新生児脳における麻酔薬の副作用による神経細胞死の評価と予防法の開発

Research Project

Project/Area Number 23791702
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

田川 剛志  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (00508517)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords小児麻酔 / アポトーシス / 神経細胞
Research Abstract

新生仔マウス(生後7日目)を用いて、麻酔薬の神経細胞死誘導効果の有無を評価した。具体的には、生後7日目のマウスを(1)Control (2)Thiopental(注射薬) 5mg/kg (3)Propofol(注射薬) 10mg/kg (4)Sevoflurane(吸入麻酔薬) 3% 6時間 (5)Thiopental 5mg/kg + Sevoflurane 3% 6時間 (6)Propofol 10mg/kg + Sevoflurane 3% 6時間の6群に分け麻酔をかけ、アポトーシスによる細胞死の指標であるcaspase-3を蛍光抗体法で検出することにより海馬と脳梁膨大後部皮質においてアポトーシスを起こした細胞数を確認した。なお上記のうち(4)、(5)、(6)は現在小児における一般的な麻酔法である。その結果、海馬においては(4)、(5)、(6)の間で差はなかったが、脳梁膨大後部皮質では(5)において(4)(6)に比較して有意に多くのアポトーシスを起こした細胞を確認した。使用薬剤が少ない(4)が最も神経細胞死に影響が少ない麻酔法と予想されたが、(4)と(6)に差はなかった。これはPropofolがSevofluraneのNMDA受容体遮断作用によるアポトーシスの誘導を抑制したためと考えられる。これにより、(5)が最も危険な麻酔法であることが示唆され、この麻酔法を回避することで、脳梁膨大後部皮質での神経細胞死を抑制することによって、術後小児の行動障害や学習障害を予防できる可能性を提示することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、現時点での最も安全な麻酔法を提示することができた。また、これは現在論文投稿準備中である。

Strategy for Future Research Activity

二光子レーザー顕微鏡を用いた神経細胞の生体内観察法を開発する。脳内大脳皮質の神経細胞をOregongreen BAPTA-AMによって標識し、その細胞内Ca2+濃度変化を可視化することができる。麻酔薬による神経細胞死の程度は小胞体からのCa2+の流出量に依存するという説があり、二光子レーザー顕微鏡を用いた神経細胞の生体内観察法によりこれを確認する。神経細胞死の機序が解明できれば、引き続き予防法の開発に繋げることができる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

主にマウス、試薬など消耗品に使用する予定である。

URL: 

Published: 2013-07-10  

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