2011 Fiscal Year Research-status Report
脳虚血中のケタミンとミダゾラムの併用が神経障害に与える影響の定量的評価
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23791706
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷西 秀紀 岡山大学, 大学病院, 助教 (40509428)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 脳虚血 / ケタミン / ミダゾラム / 神経障害 / 細胞外グルタミン酸 |
Research Abstract |
平成23年度は研究実施計画に沿って、実験モデルの確立と薬剤投与量の決定を行った。本実験ではケタミン投与が神経保護に相加相乗的に働くかどうかを評価することが目的であるため、まずベースとなるミダゾラムを単独で投与するか対照薬としてのイソフルランを併用するかどうかの決定、またミダゾラム投与量の決定を行い、パイロットスタディーとして5分虚血で対照群とミダゾラム投与群とで虚血5日後の神経障害度を評価した。ミダゾラム単独投与下では脱分極時間を測定するのに十分な体動の抑制を得ることができず、静脈麻酔薬は対照としてのイソフルラン投与下に加える形とすることとした。5分虚血においてはミダゾラム投与群では例外なく神経障害度は少なく、対照群(1MACに相当するイソフルラン投与)においてはミダゾラム投与群に比べて神経障害度が高いことが明らかになった。本実験では複数の虚血時間でスナネズミ前脳虚血を負荷し、得られた神経障害度と虚血時間との関係を回帰曲線に表すことが大きな目的のひとつであり、5分虚血群のデータから事前に予想した回帰曲線をほぼ得られると判断した。また脱分極時間の測定、体温の保持、麻酔深度と血圧などのバイタルサインの調整など実験モデルの確立をほぼ完了した。ケタミン投与については投与方法(ミダゾラムと混合するのかあるいは別ラインで投与するのか)が決定した段階であり、投与量を決定次第実験1については本実験データの採取を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ミダゾラム投与方法と投与量の決定に予想以上の時間がかかってしまったこと、また脱分極測定のシステムに不調が生じ、部品の交換などその修正に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度はケタミンの投与量を決定次第、実験1の本実験データの採取に移る。実験モデルと手技の確立は完了しているので本実験データの収集が可能と考えている。比較的長時間の虚血負荷(7分、10分)から採取を開始し、全データ(約60例程度)の収集を完了させる。同時に細胞外グルタミン酸濃度測定のシステムと手技の確立を行い、細胞外グルタミン酸濃度測定を開始できるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は本実験を遂行するために用いる動物、薬剤の費用、また実験2のシステムを確立するための透析カラムなどの物品費の購入が中心となると考えている。平成23年度に実験システムの決定に予想より時間がかかり本実験に入れなかった分繰り越し費用が生じており、平成24年度で繰り越した分の多くを使うこととなると予想している。
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