2011 Fiscal Year Research-status Report
肝虚血再灌流障害時におけるビタミンE誘導体ETS―GS投与の改善効果の検討
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23791717
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
山本 俊介 大分大学, 医学部, 助教 (70531747)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 虚血再灌流障害 |
Research Abstract |
まず、肝虚血再灌流障害モデルにおいて、ビタミンE誘導体の一つであるETS-GSが有効であるか否かについて検討。次に、より臨床での使用状況に近づけるために、虚血再灌流後の後投与でのETS-GSの効果を検討した。さらに肝虚血再灌流後の肝機能改善効果についてはETS-GS投与によりもたらされたものか否かを検証するために、Bio-Plex(バイオラッド社)を用いて虚血再灌流障害後の肝組織において、リン酸化タンパク質の変化について確認を計画。1)肝虚血再灌流障害時におけるビタミンE誘導体ETS-GS投与の改善効果の検討ではビタミンE誘導体の投与の有無による影響を解析するために(1)血清中のAST,ALT値の測定、(2)血清中のNOx、サイトカイン量の測定をELISA Kit等を使用して解析。(3)肝組織中のROS測定を酸化ストレスマーカーを用いて検討した。2)正常肝組織ならびに虚血再灌流後の組織からのリン酸化アッセイでは、正常肝組織並びに虚血再灌流後、さらにはビタミンE誘導体であるETS-GSを肝虚血再灌流後の組織においてリン酸化タンパク質抽出キット(バイオラッド社)を用いて抽出、精製。その後、バイオラッド社製Bio-Plexを用いて網羅的に肝組織中のリン酸化タンパク質の変化を検討。3)肝虚血再灌流障害後におけるビタミンE誘導体ETS-GS投与の改善効果の検討では、ビタミンE誘導体の投与の有無による影響を解析するため(1)血清中のAST,ALT値の測定(2)血清中のNOx、サイトカイン量の測定をELISA Kit等を使用して解析、(3)肝組織中のROS測定を酸化ストレスマーカーを用いて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝虚血再灌流障害モデルにおいて、ビタミンE誘導体の一つであるETS-GSが有効であるか否かについて検討については、この実験モデルにおける1)肝虚血再灌流障害時におけるビタミンE誘導体ETS-GS投与の改善効果としての、ビタミンE誘導体の投与(障害前投与)の有無による影響として、(1)血清中のAST,ALT値の測定。(2)血清中のNOx、サイトカイン量の測定をELISA Kit等を使用して解析。(3)肝組織中のROS測定を酸化ストレスマーカーを検討。を終了し、その効果を図ると共に、ETS-GSの効果・有用性を一部確認済みである。その次項目に関しては実際測定、測定数値集計段階で、実験計画確立の困難から現在実施進行中に留まる。
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Strategy for Future Research Activity |
初期計画に追従し予定通り実施進める方針。最終的にETS-GSが本肝虚血再灌流障害モデルにおいて無効である場合が想定される。我々は本物質の基本特許を保持しており、同様な作用を持つ化合物を複数保持しているので、開発者チームと協議の上代替化合物を選定する。その際、当大学内にてすでに稼動している薬品を合成できる施設をフルに稼動させ、異なるビタミンE誘導体を合成し、有効性の再確認を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでと同様、必要物品(消耗品)、実験動物を中心に、実験計画を進めるための必要最低限の研究費を使用していく予定である。
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