2012 Fiscal Year Research-status Report
肝虚血再灌流障害時におけるビタミンE誘導体ETS―GS投与の改善効果の検討
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23791717
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
山本 俊介 大分大学, 医学部, 助教 (70531747)
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Keywords | 肝臓虚血再灌流傷害 / 抗酸化物質 / ビタミンE誘導体 / ETS-GS |
Research Abstract |
本研究の実験目的は、当教室にて従来より検討を重ね優れた抗炎症効果や抗酸化機能を有したことを証明できている新規ビタミンE誘導体であるETS-GSの効果を肝虚血再灌流障害モデルにおいて確認し臨床での使用を最終目標とすることである。そのために、本年度にまず行うべきこととして、肝虚血再灌流モデルの確立を行うこととした。今回、使用するモデルとして我々が選んだのはラットである。ラットを選択した理由としては、まず比較的大きく操作が容易である点、解析方法が確立しており各種解析が容易であることが考えられる点、入手が容易である点から選択した。 まず、ラットに対して全身麻酔薬であるセボフレンを使用し全身麻酔を行い、腹部正中切開から肝門部の血管系の同定を行った上で肝門部の血管を血管用クリップにて把持し虚血状態を作成した。その後の肝組織の変色を確認のうえ1時間後にクリップを取り除くことで虚血再灌流状態を作成した。この24時間後に肝組織ならびに血液を採取し、AST等の肝逸脱酵素の上昇と肝組織の傷害を確認できた。ETS-GSの有効性を確認するため、ETS-GSをラットに投与し、肝虚血再灌流傷害時の有効性を確認するために以下の実験を計画した。まず、ETS-GSを皮下に注射後、肝虚血再灌流モデルを作成。24時間後の時点における有効性を肝組織像並びに肝逸脱酵素にて評価した。その結果、ETS-GSの投与により有意に肝逸脱酵素の低下並びに肝組織像の改善効果を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず今回の肝虚血再灌流傷害モデルにおいては、セボフレンを使用した全身麻酔を行い、腹部正中切開から肝門部の血管系の同定を行った上での肝門部の血管クリップによる虚血状態の作成、およびクリップ解除後の再灌流状態でそのラットモデルは成功した。 このモデルを用いた肝虚血再灌流後の血液中のAST、ALTの肝逸脱酵素の測定により、ETS-GS投与は有意に肝臓機能ならびに肝組織像の改善効果を認めることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、ETS-GSの効果を多方面から確認するため、サイトカイン等様々なパラメーターを測定し最終目標につなげる予定である。追加項目として、血清中のNOx、サイトカイン量の測定をELISA Kit等を使用して解析を行い、肝組織中のROS測定を酸化ストレスマーカーを用いて検討する予定である。 これらの結果によりラット肝虚血再灌傷障害モデルにおけるETS-GSの効果を確かにできれば、次はETS-GSの再灌流後投与法による効果を検討し、より臨床に即した投与方法モデルでの薬剤効果を解析していく方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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