2013 Fiscal Year Annual Research Report
肝虚血再灌流障害時におけるビタミンE誘導体ETS―GS投与の改善効果の検討
Project/Area Number |
23791717
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
山本 俊介 大分大学, 医学部, 助教 (70531747)
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Keywords | 肝臓虚血再灌流傷害 / 抗酸化物質 / ビタミンE誘導体 / ETS-GS |
Research Abstract |
本研究の実験目的は、当教室にて従来より検討を重ね優れた抗圓生効果や抗酸化機能を有したことを証明できている新規ビタミンE誘導体であるETS-GSの効果を、肝虚血再灌流傷害モデルで確認し、臨床での使用を最終目標とすることである。今回のETS-GS投与における肝虚血再灌流傷害改善効果の検討では、①血清中のASTおよびALT値の測定、②血清中のNOx、サイトカイン量の測定をELISA Kit等を使用して解析、③肝組織中のROS測定を酸化ストレスマーカー用いて検討することであった。さらに肝組織からのリン酸化アッセイでは、リン酸化タンパク質抽出キット(バイオラッド社)を用いて抽出、精製。さらにその後は、バイオラッド社製Bio-Plexを用いて網羅的に肝組織中のリン酸化タンパク質の変化を検討することであった。 使用するモデルとして確立できたのはラットであり、安定した実験研究を遂行できた。ラットは比較的大きく操作が容易であり、解析方法が確立しており各種解析が容易で、比較的入が容易であった。肝虚血再灌流傷害モデルでは全身麻酔薬であるセボフルランを使用し全身麻酔を行い、腹部正中切開から肝門部の血管系の同定を行ったうえで肝門部の血管を血管様クリップにて把持し虚血状態を作成した。その後、肝組織の変色を確認のうえ1時間後にクリップを取り除くことで虚血再灌流状態を作成した。この24時間後に肝組織ならびに血液を採取し、上記測定項目の検討を行った。このモデルを用いることにより、肝虚血再灌流傷害モデル、肝虚血再灌流傷害モデル+ETS-GS投与モデルを安定的に作成でき、検討項目解析に大きな進歩を遂げた。そして本ラットモデルにおける各検討項目において、肝虚血再灌流傷害のETS-GSによる改善効果を認めた。
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