2012 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイドのがん細胞増殖ならびに幹細胞分化に及ぼす影響
Project/Area Number |
23791731
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
葛巻 直子 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (10507669)
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Keywords | GPCR / 抗がん剤耐性 / 非小細胞肺がん |
Research Abstract |
本年度は特に、オピオイドを含む G-タンパク共役型受容体 (GPCR) を介した抗腫瘍効果ならびにそのメカニズムについて検討を行う目的でゲフィチニブの漸増処置により、ゲフィチニブ耐性ヒト非小細胞肺がん細胞株を自身で樹立し、オピオイド受容体を含む G-タンパク共役型受容体 (GPCR) の網羅的発現解析を行った。ゲフィチニブ耐性ヒト非小細胞肺がん細胞株 (HCC827GR) は、ゲフィチニブ感受性株 (HCC827) 細胞に、ゲフィチニブを1.5 ヶ月間漸増処置することにより、樹立を行った。HCC827GR は、H1975 と同様に、ゲフィチニブ耐性の主因であるEGFR のT790M の点突然変異や、p53のDNA 結合を抑制する R273H も認められた。さらに、HCC827GR 細胞では上皮間葉形質転換も認められた。ゲフィチニブ感受性株である HCC827 細胞、ゲフィチニブ耐性株である H1975 細胞ならびに HCC827GR 細胞を用いて、Taqman アレイに従い 384 種類の GPCR の網羅的発現解析を行ったところ、多数のGPCR の発現変動が認められ、なかでもゲフィチニブ耐性株において、著明なアデノシンA2a 受容体の発現増加が認められた。また、HCC827 ならびに H1975 におけるアデノシンA2a 受容体阻害薬ならびにノックダウンを行うことにより、ゲフィチニブ耐性非小細胞肺がん細胞の有意な増殖抑制が認められた。以上の結果より、既存のEGFR 阻害薬に対して、耐性を獲得した非小細胞肺がんにおいても、GPCR を介するシグナルを調節することにより、がん細胞増殖を抑制できる可能性が示唆された。特に、アデノシンA2a 受容体の阻害は、抗腫瘍効果が期待できる新たなターゲットとなり得る可能性が考えられる。こうした一連の結果は、PLOS ONE に受理された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Multiple analyses of G-protein coupled receptor (GPCR) expression in the development of gefitinib-resistance in transforming non-small-cell lung cancer.2012
Author(s)
Kuzumaki N, Suzuki A, Narita M, Hosoya T, Nagasawa A, Imai S, Yamamizu K, Morita H, Suzuki T, Okada Y, Okano HJ, Yamashita JK, Okano H, Narita M.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 7
Pages: e44368
Peer Reviewed
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[Journal Article] Effect of κ-opioid receptor agonist on the growth of non-small cell lung cancer (NSCLC) cells.2012
Author(s)
Kuzumaki N, Suzuki A, Narita M, Hosoya T, Nagasawa A, Imai S, Yamamizu K, Morita H, Nagase H, Okada Y, Okano HJ, Yamashita JK, Okano H, Suzuki T, Narita M.
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Journal Title
Br J Cancer.
Volume: 106
Pages: 1148-52
Peer Reviewed
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