2011 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織由来MCPー1を介した高脂肪食摂取下の前立腺癌増殖・進展機序の解明
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23791739
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
成田 伸太郎 秋田大学, 医学部, 講師 (40396552)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 高脂肪食 |
Research Abstract |
我々は脂肪濃度の違う3種類の食餌(高脂肪食、高炭水化物食、コントロール食)を与えた前立腺癌細胞株LNCaP担癌マウス xenograftモデルにおいて、高脂肪食を与えたマウスにおいてxenograft腫瘍増殖がもっとも促進されることを見出した。また3群の血清サイトカインや増殖因子(インスリン、IGF-I, IL-6, IL-10, MCP-1, IFN-g, TNF-a, and IL-12p70)を比較すると腫瘍増殖と相関をもって血清MCP-1が上昇することを見出した。それ以外の増殖因子、サイトカインに有意差を認めなかった。またxenograft腫瘍内のCCR2 mRNAレベルが血清MCP-1と腫瘍増殖と同様に高脂肪食群で有意に高値であることがわかった。またin vitroでは3群の食餌で飼育したマウスの血清でホルモン感受性前立腺癌細胞株の増殖能を検討すると高脂肪食マウスの血清で飼育した前立腺癌細胞株の増殖が有意に高く、またCCR2をsiRNAをもちいて発現抑制すると高脂肪食マウス血清での細胞増殖が抑制された。また同時にin vitro, vivoにおいてMCP-1シグナルの下流で活性化すると考えられるAKTのリン酸化が高脂肪食群で亢進していることも確認した。以上in vivo, in vitroの実験から高脂肪食摂取下の前立腺癌進展においてMCP-1/CCR2/AKTシグナルの関与が示唆され、論文化し発表した(Huang M, prostate, 2012).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎実験では高脂肪食摂取下の前立腺癌増殖へのMCP-1/CCR2シグナルの関与を証明することができ、論文、学会で発表をおこなったため概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎実験では高脂肪食摂取下の前立腺癌増殖へのMCP-1/CCR2シグナルの関与が示唆されたため、現在臨床検体をもちいて上記シグナルと癌増殖の関与、またBMI等の肥満度との関与の検討を施行するため、現在前立腺全摘症例の脂肪組織を採取している。現在まで20例程度の症例から採取したが今後症例を増やしていく予定である。また今後脂肪組織内の上記シグナル関連遺伝子、タンパクの発現と臨床因子の関連を検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
検体からのmRNA, タンパク採取。およびmRNA, 蛋白レベルを検討するための定量PCR、ウェスタンブロットなどの消耗品。学会、論文成果発表のための旅費。またヒト脂肪細胞を培養し、MCP-1/CCR2シグナルのfunctional解析を考えており、それに使用するための消耗品に主に使用したい。当施設には上記施行するための施設、器材はそろっている。
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