2012 Fiscal Year Annual Research Report
スタチンによる、miRNAを介した前立腺癌増殖制御機構の解明
Project/Area Number |
23791741
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関根 芳岳 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00516370)
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Keywords | 前立腺癌 / miRNA / スタチン |
Research Abstract |
【目的】我々は、スタチン投与によって発現変化するmiRNAの同定、その発現変化のあったmiRNAのターゲットであるmRNAの中で、前立腺癌の進展阻害と関与するものを検討した。 【方法】in vitroにおけるシンバスタチン投与群(5 μM)および非投与群のtotal RNA (miRNAおよびmRNA)を抽出しmiRNAマイクロアレイおよびcDNAマイクロアレイにて遺伝子発現の包括的な解析により、発現変化のあったmiRNA及びmRNAを同定した。さらには、同定されたmiRNAをPC-3へトランスフェクションし、細胞への影響、アレイで変化のあったmRNAの発現変化を確認した。 【結果】シンバスタチン(5 μM)を投与して48時間後に回収したtotal RNAを用い、miRNAおよびcDNAマイクロアレイを施行したところ、miR-375;ターゲットmRNAとしてMATN3、CENPM、PDE4B等、miR-210;ターゲットmRNAとして、INSIG1、ESCO2、E2F3等、ほかのmiRNAとしては、miR-148a, miR-22等がその候補として挙げられた。さらにそれらの候補miRNAをPC-3にトランスフェクションしたところ、miR-210では、細胞増殖・遊走・浸潤抑制効果、miR-375では細胞遊走・浸潤抑制効果を認めた。次に、miR-210、miR-375をPC-3へトランスフェクションし、mRNAの変化を確認したところ、miR-210に対しては、INSIG1の発現低下を認めたものの、miR-375に対しては、ピックアップしたmRNAの発現低下が認められなかった。INSIG1のsiRNAをPC-3へトランスフェクションすることで、細胞増殖及び遊走抑制効果を認めた。 【結論】前立腺癌におけるスタチンの抗腫瘍効果において、miRNAが重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)