2012 Fiscal Year Annual Research Report
尿路上皮癌幹細胞の同定および癌幹細胞をターゲットとした治療モデルの構築
Project/Area Number |
23791744
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田所 学 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (00456237)
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Keywords | 膀胱癌 / 癌幹細胞 / シスプラチン / 治療耐性 |
Research Abstract |
前年度に得られた以下の知見に基づき、膀胱癌幹細胞の治療耐性メカニズムの更なる検討を行なった。 1,CD44陽性膀胱癌細胞が,癌幹細胞の要件を満たす細胞集団であることを確認した.2,膀胱癌幹細胞がより強いシスプラチン抵抗性を示した.3,膀胱癌幹細胞は高いAktおよびERK活性を示した.4,非殺細胞濃度のHSP90阻害剤は,膀胱癌幹細胞のAktおよびERK活性を同時に不活化させ,シスプラチンによるアポトーシス誘導を増強することによりその殺細胞効果を相乗的に高めた.5.in vitroにおいて、低濃度HSP90阻害剤を用いることで,膀胱癌幹細胞のシスプラチン耐性を克服する可能性を示した. 今年度、上記のin vitroでの知見に基づき、免疫不全マウスへの膀胱癌幹細胞腫瘍移植モデルを作成した。さらに、同移植モデルにおける膀胱癌幹細胞の治療耐性克服の可能性を検討した。その結果、in vitroでの結果と同様、シスプラチンと低濃度HSP90阻害剤を併用することにより、膀胱癌幹細胞の腫瘍増大速度が抑制されるという知見を得た。進行膀胱癌の根治を目指すための、膀胱癌幹細胞をターゲットとした治療モデルの構築の可能性を示した。
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