2011 Fiscal Year Research-status Report
刺激応答性発現制御システムの開発と前立腺癌治療への応用
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23791746
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森井 章裕 富山大学, 大学病院, 助教 (20377279)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 放射線 / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
放射線に応答する人工プロモーターの構築システムの確立:モデル細胞として前立腺癌細胞株DU145を利用して転写因子の活性を放射線照射前後で調べ、放射線照射により活性化する転写因子を選択を行った。このためにまず、単一の転写因子の結合配列を複数組み合わせて人工プロモーターを構築し、放射線照射によるプロモーター活性の増強効果を評価した。その結果、いくつかの反応性の高い転写因子を見出すことができた。その転写因子を2-3種類選択して、これらをランダムに組み合わせ、TATA boxと結合させることで多数の人工プロモーターを構築した。その放射線に対する反応性をルシフェラーゼアッセイにて評価したが、単一の転写因子のプロモーターを有意に上回る反応性をもつものは得られなかった。これに関しては原因を調査中であり、何らかの改良を加える必要があると考えている。また同じホルモン抵抗性の前立腺癌細胞株PC3においても同様に検討したが、現時点では高い反応性をもつプロモーターは取得できていない。PC3においても同様に原因を調査中である。miRNAによる発現制御システムの導入 :前立腺癌細胞株LNCaP、DU145に放射線を5-10Gy照射後にRNAを抽出し。これをもとにマイクロアレイでmiRNAの発現変化を網羅的に解析を行った。その結果それぞれの細胞株において、発現変化の大きかったmiRNAが見出され、リアルタイムPCR法にてさらに、放射線線量、照射後の経過時間との関係についても詳細に調べた。これらのmiRNAの標的遺伝子についてもデータベースから調べた結果、放射線感受性に関与すると思われる遺伝子もいくつか見られており、miRNAが放射線感受性に何らかの関与をしていると考え、さらに検討を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射線に応答する人工プロモーターの構築システムの確立:上記に関しては、転写因子の選択までは行えたが、高い反応性をもった人工プロモーターがまだ構築できておらず、達成していない部分がある。miRNAによる発現制御システムの導入:上記については、概ね計画通りに研究は進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、前立腺癌細胞株DU145において放射線に高い反応性をもつ人工プロモーターを完成させる。そのプロモーターに、放射線で発現変化がみられる標的配列を組み込むことで、さらに選択性の高い放射線遺伝子発現制御のシステムを確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に用いる器材などはそろっており、おもに試薬などの消耗品に使用する予定である。一部情報収集などの旅費に使用する。
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