2012 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌におけるAurora-Aの役割の解明および新規治療の開発
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23791755
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺川 智章 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50533759)
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Keywords | 腎細胞癌 / AURORA-A |
Research Abstract |
ヒト腎細胞癌株の中でAURORA-Aを強発現するCaki-2細胞を選択し、これに抽出したAurora-A/siRNAプラスミドDNAをトランスフェクションし、AURORA-A/si-RNA導入株(Caki-2/si-A)を樹立した。またスクランブル配列を有するsiRNAを導入したコントロール株であるScramble/siRNAプラスミド導入株(Caki-2/Co)を樹立した。両細胞株の細胞周期をサイトメトリー法で確認するとCaki-2/si-AはAURORA-A抑制によりG2/M arrestが生じていることが確認できた。 増殖能を比較検討したところ、Caki-2/si-AはCaki-2/Coに比しin vitroにおいて顕著に増殖能は抑制された。蛋白レベルでは、Western BlottingによりCaki-2/si-AはCaki-2/Coに比しAktのリン酸化が抑制され、癌抑制遺伝子であるBaxの発現が更新していた。 各種抗癌剤による両株の感受性の違いを評価すると、Docetaxelは他の抗癌剤と比し最もCaki-2/si-Aの増殖を阻害し, DocetaxelのIC50は,Caki-2/Coに比べ96%低下した。Docetaxelによる増殖抑制は、濃度依存性に、また、経時的にCaki-2/si-AはCaki-2/Coに比し増殖が抑制された。 また、腎癌に対する新規分子標的治療薬であるsunitinib,sorafenibも投与したが両細胞株間で差を認めなかった。Docetaxel投与後、Caki-2/si-Aでは、p53やcleaved PARPの発現が亢進していた。 本研究により、腎癌細胞のAurora-A発現抑制により,細胞の増殖能は低下し,さらに微小管重合阻害剤の一つであるDocetaxelを併用することで、より効果的に腎癌細胞の増殖が抑制される可能性が示唆された。
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