2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791758
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荒木 元朗 岡山大学, 大学病院, 講師 (90467746)
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Keywords | 腎虚血再灌流 / 腎移植 / 急性腎不全 |
Research Abstract |
【目的】腎虚血再灌流時に白血球が組織内に浸潤する際、細胞外マトリックス(ECM)を分解する必要がある。ECMを分解する酵素(MMPs)はドキシサイクリン(Dox)により抑制される作用がある。腎虚血再灌流障害においてDoxのMMP阻害作用により、白血球の組織浸潤抑制により組織障害が軽減されるか検討した。 【対象と方法】12-14週齢C57BL/6雄マウスを用い、Dox投与群は術前3日目から12時間毎にDox 200mg/kg/dayを経口投与した。対照群は同様に蒸留水を経口投与した。各群を麻酔下に開腹し体温を32℃に保ち、両側腎茎部を35分間クランプし再灌流させた。術前、術後24、48時間後に採血と両腎を摘出した。各時点での血清Cr値測定、HE染色での腎組織傷害の程度、ザイモグラフィーによるMMP9活性の比較した。 【結果】Dox投与群では腎虚血後24時間の血清クレアチニン上昇抑制がみられた(2.56±0.2 vs 1.45±0.4, p<0.05)。組織学的にもHE染色でDox投与群で組織傷害の抑制が優位にみられた。またDox投与群で組織中の好中球浸潤の減少傾向がみられた。およびHE染色で組織傷害の抑制が優位にみられた。またDox投与群でザイモグラフィーにてMMP9活性の抑制を認めた。またDox投与群で組織中の好中球浸潤の減少傾向がみられた。 【結論】Dox投与群で24時間後の血清クレアチニン値の上昇抑制、組織傷害の抑制がみられた。Dox投与によるMMP9阻害、好中球浸潤抑制作用により虚血再灌流時の腎機能障害、腎組織傷害が抑制されることが示唆された。
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