2012 Fiscal Year Annual Research Report
腎虚血再灌流障害に対するHIF-1αの腎尿細管再生メカニズムの解明
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23791759
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山口 邦久 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90464346)
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Keywords | HIF-1 / 再生 / IRI |
Research Abstract |
HIF-1αkd miceとWILD type miceのIRIモデルの腎sample(虚血再灌流なし、再灌流後6h、12h、24hの時点で腎sample)より腎尿細管をマイクロダイセクションにて採取、total RNAを抽出し、DNAマイクロアレイを行った。網羅的遺伝子発現解析の分析からストレス応答や免疫応答、細胞・組織修復に関係していると考えられる遺伝子がいくつか存在することが分かり、そのうちA遺伝子をピックアップし分析を行なった。 in vitroにおける確認実験として、細胞(HK-2細胞:正常ヒト近位尿細管上皮細胞細胞)を用いて低酸素1%24h後、再酸素化5%で培養し3,6.12,24,36,48h毎のRNAを抽出した。real time PCRにてA遺伝子の発現を確認したところ、24hでA遺伝子の発現が顕著にあがっていることが確認された。Western blot においてもタンパクレベルで同様の発現が確認できた。次にHIF-1α発現細胞にsiRNAを導入しHIF-1αのdown regurationを再現し、虚血状態後に再酸素化した培養条件でのA遺伝子のmRNA発現をreal time PCR法と、Western blot法にて確認したところ、A遺伝子の発現はHK-2細胞における虚血後再酸素化と比較し、HIF-1α down reguration下の細胞で有意に低下していることが確認できた。この結果から虚血状態の細胞において重要は役割を果たしているHIF-1αによって、ピックアップしたA遺伝子は何らかの制御を受けているとの結論に達した。引き続きA遺伝子とHIF-1αとの相互作用、細胞内での動きや別の因子との相互作用を確認するための、A遺伝子にGFPタグをつけたベクターを作成し細胞へ導入した。今後もこの実験系を用い、A遺伝子の機能解析を行う予定である。
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