2011 Fiscal Year Research-status Report
前立腺がん発癌プロモーションにおける酸化ストレス関連遺伝子の役割と多型の解析
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23791779
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
井口 太郎 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80529206)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 腫瘍学 / 前立腺癌 / 酸化ストレス / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
前立腺癌(PCa)におけるMnSOD遺伝子多型(V16A)の見解は一定していない.臨床的悪性度を伴った潜在PCa (aggressive PCa) と臨床的悪性度を伴わない潜在PCa (non-aggressive PCa)におけるMnSOD遺伝子多型のリスクを検討し,MnSOD-AA型はaggressive PCaのrisk facter (OR=2.86, 95%CI:1.10-7.20)で,潜在癌が増える71歳以上ではOR=4.89 (95%CI: 1.74-25.7)と強い相関を明らかにした.このことから,MnSOD遺伝子多型(V16A)は前立腺癌発癌のpromotionに関わっている可能性が高く,本研究ではこの多型の発癌における役割を更に追求するために酸化ストレス遺伝子多型リスクが年齢により異なることを示すことにより,promotionに関わっている事を証明する.そのためには加齢による前立腺癌の発赤頻度と酸化ストレス遺伝子多型との関連を剖検Case Control研究の手法を用いて検討することが必要であり,PCR-RFLPにて解析したサンプルのSequencingを継続中である.また,The U.S. Preventive Services Task Force (USPSTF:米国予防医療専門委員会)が前立腺癌の検診で使われているPSA検査について2008年8月に「75歳以上の人に検査を勧めない」としたが、2011年10月に「すべての年齢の男性に対して検査は勧められない」とした事を受け,我々のカットオフ年齢の基準を75歳で確認し,更にどの年齢でMnSOD-AA型がリスクとなり得るのかを確認するために再検討を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究で酸化ストレス遺伝子多型が前立腺癌発癌の3段階のうち,promotionに関わっている可能性が高いと考えられ,酸化ストレス遺伝子多型リスクが年齢により異なることを示すことにより, promotionに関わっている事を証明するために,全サンプルのMnSOD多型をPCR-RFLP法で解析が終了し,結果を統計解析中である.
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Strategy for Future Research Activity |
PCR-RFLP法で解析された遺伝子多型解析結果を統計学的に検討し,その結果から酸化ストレスが前立腺癌発癌の3段階(Initiation, Promotion, Progression)のうち Promotionに関わる分野での詳細な検討を行い,前立腺癌発癌機序における活性酸素の役割を明らかにする.さらに2011年10月のUSPSTFの勧告に対して,加齢と酸化ストレス関連遺伝子多型のリスクの関連をさらに探求していく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PCR-RFLP法で解析された遺伝子多型解析結果および全例のSequencingを行う.GPX1,GSTM1,GSTP1,GSTT1遺伝子のリスクを剖検Case Control研究で明らかにするための解析を行う.USPSTFの勧告に対して,今後の研究の方向性について海外研究協力者であるDr. HaasおよびDr. Wangと5月にAUA(米国泌尿器科会議)の後に会議を行う予定である.
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