2012 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺がん発癌プロモーションにおける酸化ストレス関連遺伝子の役割と多型の解析
Project/Area Number |
23791779
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
井口 太郎 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80529206)
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Keywords | 前立腺癌 / 遺伝子多型 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
前立腺癌(PCa)におけるMnSOD遺伝子多型(V16A)の見解は一定していない.臨床的悪性度を伴った潜在PCa (aggressive PCa) と臨床的悪性度を伴わない潜在PCa (non-aggressive PCa)におけるMnSOD遺伝子多型のリスクを検討し,MnSOD-AA型はaggressive PCaのrisk factor (OR=2.86, 95%CI:1.10-7.20)で,潜在癌が増える71歳以上ではOR=4.89 (95%CI: 1.74-25.7)と強い相関を明らかにした.このことから,MnSOD遺伝子多型(V16A)は前立腺癌発癌のpromotionに関わっている可能性が高く,本研究ではこの多型の発癌における役割を更に追求するために酸化ストレス遺伝子多型リスクが年齢により異なることを示すことにより,promotionに関わっている事を証明する.そのためには加齢による前立腺癌の発現頻度と酸化ストレス遺伝子多型との関連を剖検Case Control研究の手法を用いて検討することが必要であり,PCR-RFLPにて解析したサンプルのSequencingを施行した.また,The U.S. Preventive Services Task Force (USPSTF:米国予防医療専門委員会)が前立腺癌の検診で使われているPSA検査につ いて2008年8月に「75歳以上の人に検査を勧めない」としたが、2011年10月には「すべての年齢の男性に対して検査は勧められない」と した事を受け,我々のカットオフ年齢の基準を75歳で確認し,更にどの年齢でMnSOD-AA型がリスクとなり得るのかを確認するために再検討した.その結果,75歳以上においても同様にMnSOD-AA型はaggressive PCa のリスクであると考えられた.
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