2012 Fiscal Year Annual Research Report
PTEN遺伝子導入による膀胱癌の浸潤転移予防についての同所性モデルを用いた検討
Project/Area Number |
23791786
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 一宏 慶應義塾大学, 医学部, その他 (80366153)
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Keywords | 膀胱癌 / PTEN / マウス膀胱癌同所性モデル |
Research Abstract |
今回われわれは、当教室で系統的に行われてきた同所性膀胱腫瘍モデルを用いて、リポソーム法を用いたPTEN遺伝子導入による筋層非浸潤性膀胱癌の筋層浸潤予防、および転移予防についての同所性膀胱癌モデルを用いた検討を行っている。 まずこれまでマウス膀胱癌細胞株MBT-2variant細胞に、リポソームとしてはGenePORTERを使用し遺伝子導入を行っていきたが、その後の追加実験にて遺伝子導入効率が安定していないことが判明した。そこで、再度様々なリポソーム製剤および濃度にて導入を行った結果、リポソームとしてはGenePORTER3000を50μg/5x10 5乗 MBT-2variant細胞の濃度で用いることにより最も安定した遺伝子導入を行えることが確認できた。またこの濃度では細胞毒性が無いことも確認された。 MBT-2variant細胞はMBT-2細胞に比べ転移能が強いことは既に確認されているが、今回PTENの発現が極端に低下していることをWestern blot法にて確認した。そこで、上記GenePORTER3000を用い、MBT-2variant細胞にPTENプラズミド導入を行うことにより、細胞内でのPTEN蛋白の持続的な発現が確認された。さらにAkt活性が低下していることも確認された。 次に、全身麻酔下にc3H/HeNマウスの膀胱内へMBT-2 variant細胞(5x10 5乗細胞)を注入し2時間尿道を結紮した。この手法により100%の腫瘍生着を確認できた。顕微鏡下にDay3には腫瘍巣の形成を認め、Day10には肉眼的にも腫瘍の確認が可能であった。 この同所性膀胱腫瘍モデルに対しGenePORTER3000を用いin situでの膀胱内へのLacZプラズミド導入を行ったところ、特に腫瘍巣に強いX-gal染色を認め、効率的な遺伝子導入が行われていることが確認された。
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