2011 Fiscal Year Research-status Report
難治性前立腺癌の進展に着目したAKT-MTORシグナル経路制御による新規治療戦略
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23791787
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安水 洋太 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40464854)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 去勢抵抗性 / PI3K-Aktシグナル伝達 |
Research Abstract |
ヒトCRPC株であるC4-2及びC4-2AT6に対してPI3K/Akt シグナル伝達阻害剤とドセタキセルの併用の効果をIn vivo及びIn vitroにおいて検討した。PI3K/Aktシグナル伝達阻害剤として、PI3K・mTORC1/2阻害剤であるBEZ235を使用した。まずはIn vivoにおいて、C4-2AT6に対するドセタキセル単独療法とドセタキセルとBEZ235の併用療法の抗腫瘍効果をWST assayを用いて評価した。ドセタキセルとBEZ235の併用は、ドセタキセル単独あるいはBEZ235単独群と比較し、有意に高い殺細胞効果を認めた。Combination indexは0.31で、ドセタキセルとBEZ235の相乗効果が示唆された。続いて、In vivoにおいて検討を行った。C4-2AT6の皮下腫瘍モデルマウスを4群に分け、1.コントロール群、2.BEZ235単独群(40MG/KG/day)、3.ドセタキセル単独群(4MG/KG)、4.BEZ235及びドセタキセル併用群とし比較検討した。コントロール群ではday0と比較してday15では腫瘍径が298%まで増大していた。BEZ235とドセタキセル単独群ではそれぞれ103%、140%の増大であった。一方で、BEZ235とドセタキセルの併用群では腫瘍径比は43.0%であり、有意な縮小を認めた(P<0.01)。BEZ235とドセタキセルの併用はC4-2AT6に対して著明な抗腫瘍効果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はIn vitroの検討のみを予定していたが、一部In vivoの検討も行うことができた。当初の仮説通り、去勢抵抗性前立腺細胞株においてpAKTの活性化が認められており、In vitro、In vivoの両方においてPI3K-Akt阻害剤とドセタキセルの併用療法の有用性を示す知見を得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)細胞株に対するmTOR阻害剤の効果を検討し、PI3K-AKT阻害剤との比較検討を行う。(2)各種CRPC細胞株を使用しPI3K-Aktの上流を評価することで、CRPC細胞株におけるPI3K-Aktシグナルの活性化の機序を解明する。(3)PI3K-Aktシグナル伝達経路を阻害した後に生じる新規シグナル伝達機構について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験が主体となるためほとんどが消耗品費となる。具体的にはヌードマウスBalb-cとその飼育費、各種試薬および抗体の購入費、免疫染色試薬購入費である。
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