2012 Fiscal Year Annual Research Report
難治性前立腺癌の進展に着目したAKT-MTORシグナル経路制御による新規治療戦略
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23791787
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安水 洋太 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40464854)
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Keywords | PI3K-Akt-mTOR シグナル伝達 / ドセタキセル抵抗性 / 去勢抵抗性前立腺癌 / PI3K・mTORC1/2阻害剤 |
Research Abstract |
本年度はドセタキセル(DTX)抵抗性前立腺癌細胞株C4-2AT6に対するPI3K-mTORC1/2阻害剤(NVP-BEZ235)とDTXの併用効果について、主にIn vivoの実験を中心に、検討した。 BALB-Cヌードマウスを用いてC4-2AT6皮下腫瘍モデルを作成し、①コントロール群、②DTX(4㎎/㎏)投与群、③NVP-BEZ235(40㎎/㎏)投与群、④DTX(4㎎/㎏)+NVP-BEZ235(40㎎/㎏)投与群 の4群に分けて、NVP-BEZ235とDTX抗腫瘍効果を検討した(n=6)。コントロール群ではday0と比較してday15では腫瘍径が298%まで増大していた。BEZ235とDTX単独群ではそれぞれ103%、140%の増大であった。一方で、BEZ235とDTXの併用群では腫瘍径比は43.0%であり、有意な縮小を認めた(P<0.01)。 続けて、NVP-BEZ235及びDTXの用量ををそれぞれ12.5mg/kg、2mg/kgと設定し、低用量での検討を行った。NVP-BEZ235単独投与群及びDTX単独投与群が腫瘍径においてコントロール群と比較して有意差を認めなかったのに対して(DTX単独89.8±9.8%、NVP-BEZ235単独81.2±6.4%)、NVP-BEZ235・DTX併用群ではコントロール群の6.1±5.5%と有意に腫瘍の縮小を認めた。 摘出した皮下腫瘍に対してTUNEL法による免疫染色を行い、アポトーシスの誘導を評価した。NVP-BEZ235・DTX併用群では他群と比較して有意にアポトーシスの誘導の亢進を認めた。 以上より、In vivoにおいてもDTXとNVP-BEZ235の併用はDTX抵抗性前立腺癌細胞株C4-2AT6に対して高い抗腫瘍効果を示した。
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