2012 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌発癌モデルを用いた血管新生の依存度に応じた新規治療戦略の確立
Project/Area Number |
23791789
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
萩原 正幸 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70464922)
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Keywords | 膀胱癌 / マウス膀胱癌同所性発癌モデル |
Research Abstract |
C57BL/6マウスに対し0.05%N-butyl-N-(4-hydroxybutyl) nitrosamineを含んだ飲水を継続的に摂取させることにより約20週間で浸潤性膀胱癌がほぼ100%のマウスに自然発癌することを確認した。マウスの膀胱発癌を経時的に観察し、Dysplasia(約16週)→CIS(約18週)→浸潤性膀胱癌(約20週)の発癌形式を認めることが分かった。 上記で示したマウス膀胱癌同所性発癌モデルを用いて、ARBによる膀胱発癌抑制効果についての検討を開始した。Irbesartan 50mg/kgを粉末餌(CE-2)に混ぜ、0.05%N-butyl-N-(4-hydroxybutyl) nitrosamineを含んだ飲水の投与開始と同時に投与する群、投与しないControl群、それぞれの群で同所性発癌を確認し、膀胱内腫瘍を摘出(各群15・20・25週間、n=5ずつ)。検体のパラフィン切片を用いて発癌形態や発癌の時期の違いなどを経時的に確認したところ、Irbesartan投与群でControl群と比較し早期に発癌し、発癌後の進行も促進する結果であった。 IrbesartanのPPAR-γ作用に伴う発癌促進を疑い、PPAR-γ作用を有するTelmisartan 50mg/kg投与群、PPAR-γ作用を有さないCandesartan 10mg/kg投与群、投与しないControl群の3群に分け、再度同様の検討を行った。その結果、Telmisartan、P Candesartanの両群においてもControl群と比較し、発癌を促進する結果となった。 皮下腫瘍においては癌に対し、血管新生を抑制することで制癌的に働いたARBが同所性発癌モデルにおいては発癌を促進するような結果となった。 現在、上記結果の原因について免疫染色、PCR等を用いて検証中である。
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