2013 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌における新規VHL関連蛋白の発見とその分子間相互作用と細胞応答の究明
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23791795
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
吉田 毅 産業医科大学, 医学部, 助教 (30596648)
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Keywords | HIF / VHL / EMT / Twist / 腎細胞癌 / RCC / VEGF / HRE |
Research Abstract |
本研究課題は、様々な癌細胞で発現している転写因子Twist分子に注目し、この分子のの発現がVHL-HIFと下流遺伝子のシグナル伝達経路にどのような影響を与えるかを解明するものである。 助成期間において以下のような実験を遂行した。プロモーターアッセイ:VEGFプロモーター欠損変異ベクターを用いて、低酸素下においてTwistによる転写活性の影響を受ける部位を確認した。ChIPアッセイ:培養細胞の核内において、VEGFのプロモーター領域にTwist蛋白が結合していることを確認し、TwistがHIFと同様に低酸素状況下において新たに結合する領域を確認した。EMSAアッセイ:GST-Twist精製タンパク質がVEGFプロモーター領域のTwist認識配列を含んだ二重鎖オリゴヌクレオチドに結合することをEMSA(Electrophoresis mobility shift assay)により確認した。以上より、Twist蛋白がVEGFプロモーターに結合してVEGFの発現を調節していることを本研究で明らかにすることができた。以上の研究結果は、2014年開催の学会において報告した。 また、EMT(epithelial-Mesenchymal-Transition)マーカーを用いた免疫組織染色により、腎癌をはじめとして尿路上皮系の癌組織においてTwist他の蛋白の発現を確認することができた。mRNAレベルにおけるTwistの発現を見るためにsemi-quantitative PCRを行い、腎細胞癌組織においてEMTマーカーのmRNAの発現レベルが増強していることを確認した。以上の研究結果は2013年までに開催された学会で報告した。 VHL-HIFとその下流遺伝子VEGFシグナル伝達経路において、Twistの存在がHIFの転写活性に影響することを明らかにでき、腎細胞癌の低酸素下におけるシグナル伝達に新たな機序を加えることができた。以上の結果は英文雑誌に投稿準備中である。
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Research Products
(4 results)