2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒト不妊症精子におけるメチル化インプリントの異常と分子機構の解析
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23791799
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮内 尚子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 技術補佐員 (60596162)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 生殖補助医療(ART) / ゲノムインプリンティング / メチル化合成酵素 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
近年生殖補助医療(ART)の普及と晩婚化、少子化の社会情勢により、ARTは一般的な不妊治療に定着している。しかし、ARTの普及と伴に、エピゲノム異常としてインプリント異常に起因する先天性疾患の発症頻度が増加しているとの報告が数多くみられる。申請者らは、男性不妊症精子DNAを用い、8つのインプリント領域(DMR)のDNAメチル化について解析し、その異常の頻度がおよそ25%であることを報告した。この事実はインプリント異常症の原因として、精子の影響が大きいことを報告した。本研究では、まず全てのヒトインプリント領域について明らかにする。次に多数例の不妊症男性精子を用い、インプリント異常の頻度・程度・影響を受けやすい遺伝子について解析する。さらに、生活習慣などに着目し、原因となる要因について特定することを目的としている。本年度は、ヒトインプリント領域の同定と、不妊症男性精子の収集とメチル化インプリントの解析を行なった。まず、ヒトインプリント領域の同定は、精子型インプリント3領域と卵子型インプリント19領域を、正常血液細胞、精子細胞を用いて明らかにした。また、この領域内に含まれるDNA多型も明らかにした。次に、精子サンプルは、165例(乏精子症59例)収集し、22領域に関して、Bisulphite Polymorphic PCR法で正確に評価した。その結果、全体でおよそ29%に異常を認め、特に乏精子症では、60%と高頻度に異常を認めた。生活習慣(塗装業)や食事(炭酸飲料)との関連性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不妊症男性精子の収集は、目標どおりに行なわれた。この結果を基に、正確なメチル化インプリントの解析が可能となり、信頼のおける成果が得られた。アンケート調査も目標どおりに行なわれた。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに、症例数を増やし、ヒト男性精子のインプリント異常について、網羅的な解析を正確に行い、その異常の頻度、程度、影響を受けやすい領域を明らかにする。また、異常のパターン分類により、DNAメチル化異常の発症メカニズムについて、総合的に検討する。また、食事や生活習慣などのリスク要因を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
メチル化基質合成酵素遺伝子(MAT2A)とメチル化酵素遺伝子の解析:(1)メチル化インプリントの異常を呈す精子あるいは患者血液DNAを用い、MAT2Aおよび DNMT1,3A,3L遺伝子の遺伝子変異について解析する。DNMT3Aは転写領域に設定した16対のプライマーセットを用い、PCR-SSCP法で電気泳動。バンドに変異を認め領域については、クローニングし、全塩基配列を決定する。同様にDNMT3Lは8対のプライマーセットを用いる。(2)プロモーター領域のメチル化の解析;精子検体のDNAを用いて、MAT2A, DNMT1およびDNMT3A,3L遺伝子のプロモーター領域のメチル化の解析をBS-PCR法で行なう。(3)(1)、(2)で見つかった変異は遺伝子変異プラスミドをPCRで作成し、COS-7にトランスフェクションする。メチル化の基質(S-アデノシル-L-メチオニン)を添加して、luciferase assay法を用い、遺伝子発現の変化を定量化する。また、変異の配列特異性により、結合蛋白や関連因子を類推する。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 癌と化学療法2011
Author(s)
有馬隆博、樋浦仁、岡江寛明、宮内尚子、佐藤芙美
Total Pages
1745-1749
Publisher
癌と化学療法社
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[Book] 助産雑誌2011
Author(s)
有馬隆博、樋浦仁、岡江寛明、佐藤晶子、宮内尚子
Total Pages
11-11
Publisher
医学書院
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[Book] 卵子学2011
Author(s)
有馬隆博、樋浦仁、岡江寛明、佐藤晶子、宮内尚子
Total Pages
122-131
Publisher
京都大学学術出版会