2011 Fiscal Year Research-status Report
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23791804
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大槻 健郎 東北大学, 大学病院, 助教 (40531330)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / 卵巣がん / MAT2A |
Research Abstract |
卵巣癌の発癌機構の解明は、遺伝子診断や分子標的治療の開発に繋がる重要な側面を有する。これまでに卵巣癌のがん化過程には、癌遺伝子や癌抑制遺伝子のエピジェネティクス異常が数多く報告されている。申請者はメチル基供与体の合成酵素遺伝子MAT2Aが卵巣癌において過剰発現することを見出しており、MAT2A遺伝子が卵巣癌のエピジェネティクス異常を引き起こす可能性が示唆される。 初年度は、卵巣癌におけるMAT2A遺伝子のターゲットを探索するため、real time PCR法を用いて数十種類の癌遺伝子および癌抑制遺伝子の発現定量解析を行った。その結果、癌抑制遺伝子としてよく知られているRB1遺伝子の発現が卵巣癌において有意に抑制されていることを見出した。さらに、RB1遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化を解析したところ、高メチル化状態であることが明らかとなった。 また、卵巣癌細胞株においてRNAiを用いたノックダウン実験でMAT2A遺伝子の機能抑制を行い、細胞増殖が有意に抑制されることを発見した。さらに、MAT2Aの阻害剤(シクロロイシン)を添加して卵巣癌細胞の培養を行ったところ、濃度依存的に細胞増殖が抑制された。これらの結果は、MAT2A遺伝子の過剰発現が卵巣癌細胞の増殖を促進することを示すとともに、シクロロイシンが卵巣癌の治療薬として使用できる可能性を推察された。 以上の結果より、MAT2A遺伝子の過剰発現はRB1遺伝子のプロモーター領域の高メチル化を引き起こし、癌化を促進する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の如く、平成23年度の研究実施計画である「in vitroにおけるMAT2Aの卵巣癌増殖への機能解析」および「MAT2Aのターゲット遺伝子探索」はほぼ予定通り終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
MAT2Aの阻害剤投与実験を行うことで、MAT2A阻害剤の臨床応用への可能性を探る。また、摘出卵巣癌組織を用いてMAT2A、DNMTsの標的遺伝子の発現量解析とエピゲノム解析を行う。さらに、患者基本情報に照らし合わせ、年齢、組織型、進行期、生命予後などについて、統計学的な検定を行ない、メチル化異常の発症機序について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額と合わせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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