2011 Fiscal Year Research-status Report
局所におけるエストロゲン産生が子宮内膜組織の発育に及ぼす影響の解析
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23791805
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳永 英樹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (30595559)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | SF-1 / 子宮内膜症 / エストロゲン / アロマターゼ / StAR / 正常子宮内膜 |
Research Abstract |
子宮内膜症間質細胞は性ステロイド産生能を有し、ステロイドジェニックファクター-1(SF-1)はコレステロールからプロジェステロン、エストロゲンへとつながる代謝経路において重要な役割を果たしている。子宮内膜症は形態的に子宮内膜組織と類似した組織が異所性に増殖する病態であるが、正所子宮内膜の間質細胞では性ステロイド産生にかかわる種種の酵素の発現が抑制されており、子宮内膜症組織の間質細胞ではそれらが亢進していると言われており、同じ組織でも性格が全く異なると考えられている。。 我々はまず始めに、患者の同意を得て外科的に切除された正常子宮内膜および子宮内膜症性卵巣嚢腫から間質細胞を初代培養した。そしてそれぞれからmRNAおよびタンパクを抽出し、SF-1およびその標的遺伝子である、エストロゲン合成酵素(StAR,P450scc,P450c17,3βHSD I、3βHSD II、 アロマターゼ)の発現量を比較検討した。その結果、子宮内膜症間質細胞では正常子宮内膜細胞と比較しSF-1およびエストロゲン合成酵素群の発現が著明に増加しており、局所におけるエストロゲン合成が盛んに行われていることが判った。このことより、SF-1がこれらエストロゲン合成酵素群の発現を誘導すると推察され、次に正常子宮内膜間質細胞にレトロウイルスを用いてSF-1 を組み込んだpRevTet-offベクターを導入し、対照としてLac-Zを導入した正常子宮内膜および子宮内膜症性嚢胞と遺伝子発現プロファイルを比較検討する。そして、SF-1導入により正常子宮内膜から子宮内膜症に性質が変化することが確認できればvitroにおける子宮内膜症モデルを作成できるのではと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年3月11日の東日本大震災により東北大学産婦人科学教室にて保管・管理していた子宮内膜細胞株、間質細胞が使用できない状態となり改めて入手、もしくは手術検体より採取、初期培養しているため当初の予定から遅れている。また安全キャビネットの使用に制限があり、ウイルスベクターを用いた実験にも遅れが出ている。さらに人員面でも東日本大震災により震災後数ヶ月間研究を試行できず予定が遅れる原因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
正常子宮内膜間質細胞にレトロウイルスを用いてSF-1 を組み込んだpRevTet-offベクターを導入する。対照として正常子宮内膜および子宮内膜症性嚢胞にもLac-Zを導入し、それらの遺伝子発現プロファイルを比較検討する。さらにELISA法による性ステロイドホルモン測定を行い、酵素発現量と比較検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初計画していたウイルスを用いた実験が東日本大震災の影響により予定通り実行できなかったことにより生じたものであり、次年度以降に実施するベクターを用いたウイルス実験に必要な経費として、平成24年度請求額と合わせて使用する予定である。
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