2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791807
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
池田 禎智 群馬大学, 医学部, 助教 (60568252)
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Keywords | 卵巣 / ゴナドトロピン / 脂質代謝 / 機能調節 |
Research Abstract |
本研究では卵巣の機能調節と脂質代謝の関連を探ることを目的とし、ゴナドトロピン受容体であるLH受容体とコレステロール生合成に関わる酵素であるMevalonate kinase (Mvk)に着目し検証を行うこととした。顆粒膜細胞が卵巣における卵胞発育や排卵などの生殖機能において主要な役割を担っているため、はじめにラット卵巣より顆粒膜細胞を抽出し初代培養系を作成した。LH受容体はFSHとエストロゲンの共存下でその発現が増加する一方で、Mvkは発現が低下することが判明した。 最近の実験結果より、炎症性サイトカインのIL-6又はTNFαがLHレセプター発現に抑制的に働くことが判明したので、この作用にMvkの機能が関係するかを検討した。IL-6の作用の検討では、FSHとIL-6の同時作用では、FSHで誘導されるLH受容体の増加に対して促進的に働き、この時のMvkの量は増加することが認められた。このため、IL-6のLH受容体に対する作用は半減期は促進するが、より強い転写レベルでの増加をもたらし、結果としてLH受容体の増加をもたらすことが推定された。TNFα作用はIL-6とは逆にLHR受容体の減少をもたらした。この時Mvkは上昇していたので、TNFαは半減期を短縮する方向で作用する可能性が示された。 また子宮におけるLH受容体の発現を検討し、幼若ラットにhCGを投与するとLH受容体mRNAの減少が認められた。変化に要する時間経過は長いがdown regulation後にLH受容体mRNA量が増加することも卵巣と同様であった。この時Mvkを定量的RT-PCRで測定するとhCG投与後に一時的に上昇しており、子宮におけるLH受容体mRNAの減少にもMvkが関与する可能性が示された。
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Research Products
(2 results)