2013 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ナノミセル内包MG132とマイクロイメージング技術の婦人科癌治療への応用
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23791812
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 陽子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10466758)
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム / プロテアソームインヒビター / 子宮頸がん / 生体イメージング |
Research Abstract |
子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)のE6およびE7癌蛋白による子宮頸がん発癌メカニズムに注目し、プロテアソームインヒビターを用いたDDS製剤を、子宮頸がん始めその他婦人科癌に対して臨床応用を目指す研究を行っている。また、イメージング技術を創薬や、がん組織内環境の解明に応用し、薬剤の適切なデリバリーの評価を行ってきた。本年度は、さらに癌の進展や、生体内における免疫系との相互作用を解明する試みとして、癌組織における免疫担当細胞の動き、機能を可視化する技術を確立した。子宮頸がんでは細胞表面のE7蛋白を抗原と認識した細胞障害性Tリンパ球(CTL) が、腫瘍の進展や増大阻止に働いていると考えられる。しかしCTLの実際の組織内での動きや、どのように癌組織に集積するのか等は解明されていない。そこで生体イメージングの技術を用いてリンパ球の動きを解明するため、正常免疫マウスにTC-1腫瘍(マウスの扁平上皮にHPVの癌遺伝子E6ちE7を導入し不死化したcell line)を移植し、E7 CTLリンパ球を回収、刺激させたものに蛍光色素を付け、TC-1担癌マウスの尾錠脈より投与し、そのリンパ球の腫瘍組織への集積や血管内での動きを経時的に観察した。すると、リンパ球は約5時間後ころから腫瘍組織に移行し始め、組織内に数日とどまり、また腫瘍間質内を移動して働くことが示された。この研究結果は、2014年4月の第66回日本産科婦人科学会学術講演会(発表者は当科の大学院生、優秀演題賞候補演題)にて発表予定である。また現在これまでの研究成果をまとめた論文執筆中である。DDS製剤およびイメージング技術は21世紀の創薬研究において欠かせない技術となると考えている。
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Research Products
(5 results)