2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791818
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
島 友子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (00377285)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 胎児(父親)抗原特異的制御性T細胞 / 妊娠維持 |
Research Abstract |
免疫寛容が妊娠維持に必須であることは以前より分かっており、最近では制御性T細胞が免疫寛容に重要な役割を果たすことが知られるようになった。しかし、胎児抗原にのみ特異的に作用する制御性T細胞が妊娠中にいつどこで増殖し活性化するかについては全く知られていない。現在、T細胞受容体から胎児(父親)抗原特異的制御性T細胞を同定する手法を用いて正常妊娠、異常妊娠(着床不全、習慣流産)における胎児(父親)抗原特異的制御性T細胞のphenotype、数的変動、および機能について、マウスおよびヒトで明らかにすることを目的とし、実験を進めている。まず、マウス妊娠にておいてら胎児(父親)抗原特異的制御性T細胞(Vβ6+CD4+Foxp3+細胞)はアロ妊娠においてのみ着床直前より所属リンパ節で着床直後より子宮局所で増殖していることをつきとめた。更に、着床直前からの所属リンパ節での胎児(父親)抗原特異的制御性T細胞増加は精漿によるプライミングが関与していることがわかった。また、Mixed lympholyd reactionを用いた機能解析で胎児(父親)抗原特異的制御性T細胞は非特異的制御性T細胞に比較し抑制活性が低いことを確認した。マウスにおける胎児(父親)抗原特異的制御性T細胞のphenotype特定のため各種ケモカイン、ケモカインレセプター、活性化マーカーをフローサイトメトリーで検討したところCCR4やCCR5が強陽性であった。同様なphenotypeがヒトでの胎児(父親)抗原特異的Treg細胞となりうるか正常妊娠、自然流産、習慣流産症例で検討したが有意なマーカーではなく、代替マーカー検索のため、現在マウス胎児(父親)抗原特異的制御性T細胞を回収しマイクロアレイにて遺伝子解析提出中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス胎児(父親)抗原特異的Treg細胞の1個体から回収出来る細胞数が少ないことによりマイクロアレイ解析用の細胞数回収が予想より遅れたため、遺伝子解析への提出が遅れており、マウス胎児(父親)抗原特異的Treg細胞のphenotypeの最終的な同定ができていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウスでの実験結果をヒト検体で検討する予定であるが、ヒト検体(正常妊娠時(人工妊娠中絶術施行症例)およびヒト着床不全、自然流産、習慣流産、妊娠高血圧症候群例での末梢血および脱落膜中リンパ球)はH23年度よりストックしており、現在もストック継続中で、マウス結果出次第、早急にヒト検体での解析ができるように準備中である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マイクロアレイ解析の結果で有意な差を認める遺伝子がうまく発見されれば、同分子の発現パターン(妊娠週数および各臓器)をアロおよび同系妊娠マウスで検討し、Mixed lympholyd reactionやサイトカイン分泌パターンなどの機能解析を行う。さらにヒト正常妊娠時(人工妊娠中絶術施行症例)およびヒト着床不全、自然流産、習慣流産症例での末梢血および脱落膜中の制御性T細胞で候補分子の発現を確認する。
|
Research Products
(2 results)