2012 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子LRH‐1による黄体ホルモン産生の分子機構解明
Project/Area Number |
23791820
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
河邉 真也 福井大学, 医学部, 特命助教 (60579415)
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Keywords | LRH-1 / KGN細胞 / 卵巣顆粒膜細胞 / 黄体ホルモン / 黄体化 |
Research Abstract |
LRH-1遺伝子の卵巣顆粒膜細胞特異的な発現に関わる転写活性化領域および因子の同定を行った。ラット卵巣顆粒膜細胞の初代培養細胞を用いたレポーターアッセイを行い、転写活性化領域として転写開始点上流-157/-130領域を同定した。ラット顆粒膜細胞を用いたゲルシフトアッセイにより、-157/-130領域に結合する転写因子としてSF-1を同定した。前年度に同定した転写因子SpファミリーおよびSF-1の効果を検討するために、ヒト卵巣顆粒膜細胞腫由来KGN細胞あるいはSpファミリーが欠失しているSL2細胞を用いてレポーターアッセイを行った。SF-1を発現させたKGN細胞においては、LRH-1のプロモーター活性が顕著に亢進された。SL2細胞においては、Sp1あるいはSp3の存在下で顕著なプロモーター活性の亢進が認められた。また、SF-1をSpファミリーと共発現させることにより、更に相乗的なプロモーター活性の増強が認められた。これら活性の亢進は、GCボックスあるいはSF-1結合配列への変異導入により、著しく阻害された。KGN細胞においてSF-1のノックダウンを行ったところ、内因性のLRH-1発現はmRNAレベルで減衰した。アデノウィルスベクターを用いてKGN細胞においてSF-1を過剰発現させたところ、内因性のLRH-1発現はmRNAおよびタンパク質レベルで顕著に亢進された。これらの結果から、ヒト卵巣顆粒膜細胞におけるLRH-1遺伝子の転写調節は、SpファミリーおよびSF-1により協調的に制御されていることが明らかとなった。SF-1とLRH-1は同じファミリーに属する転写因子だが、卵巣顆粒膜細胞においてSF-1はLRH-1の機能を完全に補完することはできないことが知られている。卵巣機能維持に関わる遺伝子の発現制御機構の一部には、SF-1からLRH-1を介した経路が存在すると考えられる。
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Research Products
(34 results)