2012 Fiscal Year Annual Research Report
卵胞発育および黄体形成におけるSF-1新規標的遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
23791821
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
今道 力敬 福井大学, 医学部, 特命助教 (00570194)
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Keywords | SF-1 / 卵巣 / ステロイドホルモン |
Research Abstract |
我々は間葉系幹細胞に転写因子steroidogenic factor-1 (SF-1, Ad4BP, NR5A1)を導入することで、ステロイドホルモン産生細胞へと分化誘導することに成功している。この幹細胞の分化誘導系を用いてSF-1標的遺伝子の網羅的解析を行ったところ、複数の新規SF-1標的遺伝子を見出した。当該年度においては、そのうちFDX1およびFDXRの転写活性化メカニズムについて詳細に検討した。 FDX1はミトコンドリアに存在する鉄硫黄タンパク質であり、NADPHからの電子をFDXRと協調してミトコンドリア型P450酵素へ伝達する。まず、FDX1の転写制御機構について解析した。レポーターアッセイおよびゲルシフトアッセイにより、FDX1プロモーター領域に存在するSF-1結合部位およびCRE-like elementを同定した。さらに、FDX1の転写は、SF-1およびcAMP刺激により相乗的に活性化されることが明らかになった。続いて、FDX1のパートナーであるFDXRの転写制御機構について解析した。ChIPアッセイ、レポーターアッセイおよびゲルシフトアッセイの結果、FDXR転写開始点より下流に存在するSF-1結合領域が転写活性化に重要であることを明らかにした。ヒト副腎腫瘍由来H295R細胞における内在性SF-1をノックダウンすることで、FDXRの発現量は著しく減少した。一方、KGN細胞においては、アデノウィルスを用いたSF-1過剰発現によりFDXRの発現量が上昇した。これらの結果から、ステロイドホルモン産生細胞においてFDXRはSF-1により転写制御されることが示された。 以上の結果より、ステロイドホルモン産生細胞においてFDX1およびFDXRは共に、SF-1により転写制御されることが明らかとなった。
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Research Products
(32 results)