2013 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠高血圧症候群の病態における分子標的因子の解析と新たな治療法の開発
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23791825
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小谷 友美 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70359751)
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Keywords | S1P / LPA / EVT / 卵膜 |
Research Abstract |
1.絨毛膜外絨毛細胞株HTR-8/SVneo、HchEpc1b、Swan細胞を用いてS1P1-3の受容体をノックダウンしたところ、HTR-8/SVneo細胞では再現性が得られず、それ以外の2種の細胞においてMMP-2の発現には有意な変化を認めなかったが、S1P2受容体のノックダウンにより約3倍MMP-9の発現亢進を認めた(P<0.05) 2.HchEpc1b、 Swan細胞を用いて、細胞密度によりS1P受容体サブタイプの発現パターンが変化するかについて検討したところ、細胞密度が高い培養条件ではS1P1、3受容体発現が低下し、S1P2受容体発現は亢進していた。このことから、妊娠初期の胎盤形成において、cell columnのように細胞密度が高い状態ではS1P2受容体発現が亢進し、MMP-9の発現が低下して遊走能が低く、細胞密度が低い状態では、絨毛膜外絨毛細胞として遊走能が高く、S1P2受容体の発現が低下している可能性が示唆された。 3.2の結果を踏まえ、妊娠初期摘出子宮標本において、S1P受容体サブタイプの発現パターンを検討したところ、S1P1、3受容体発現は絨毛外絨毛細胞に発現を認めたが、S1P2受容体の発現は認められなかった。 4.S1P2受容体拮抗薬をE7、E9、E11に投与し、E14に胎仔、胎盤の重量には有意な変化は認められなかった。 5. 羊膜における初代培養において、S1Pを添加したところ、ECE-1の発現は有意に亢進し、NEPの発現は有意に抑制し、結果として平滑筋収縮作用を有するET-1の発現の有意な亢進を認めた。したがって、S1PはET-1と協調的に陣痛発来に作用している可能性が示唆された。
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[Journal Article] Altered expression of enzymes regulating the activity of endothelin-1 in the lower segment of the human amnion during labor.2013
Author(s)
Kotani T, Iwase A, Tsuda H, Mano Y, Yamamoto E, Nakano T, Hasegawa Y, Li H, Sumigama S, Itakura A, Kikkawa F.
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Journal Title
Biok Reprod
Volume: 89
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed
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