2012 Fiscal Year Research-status Report
胎児予備能の許容限界の解明を目指した重症胎児発育不全における炎症関連分子の解析
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23791833
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 英治 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10544950)
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Keywords | 重症胎児発育不全 / 胎児予備能 / 妊娠高血圧症候群 / 胎盤 |
Research Abstract |
本研究では子宮内環境の悪化に対して胎児・胎盤を防御する機構が存在することに着目してその機構にかかわる因子の解析を進めてきた。特に、胎盤における代償機構の破綻という観点から酸化LDL/LOX-1等の炎症関連分子、脂質代謝関連分子に焦点を当て研究を進めてきた。 H23年度は妊娠高血圧症候群の胎盤において酸化LDLのスカベンジャー受容体であるLOX-1と抗酸化ストレス遺伝子群を統括するNrf2の活性化が有意に低下していることを明らかにしたが、H24年度は前年度の研究をさらに発展させ、胎盤において酸化LDLの取り込みが低下すると脂質センサーであるLXRの活性化が不十分となり、下流遺伝子である脂質排出トランスポーターABCA1の発現が低下することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に得られた結果を基に妊娠高血圧腎症の胎盤におけるLOX-1を介した脂質代謝および酸化ストレス防御機構関連遺伝子の変化を明らかにし、研究成果をThe Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism (2012)に発表した。また、細胞培養系において、各種病態に関連する因子(低酸素や酸化ストレス等)による候補炎症関連分子や凝固・線溶系因子の発現変化の検討も、現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
病的胎盤(主に妊娠高血圧症候群)に特徴的な複数の遺伝子群(pathway)を同定しており、胎盤におけるそれらの遺伝子発現制御の機序を解明するとともに、子宮内環境の悪化に対する代償機構を活性化させる物質の同定を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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