2011 Fiscal Year Research-status Report
Bioinformaticsによる、卵巣明細胞腺癌における代謝異常の解明
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23791835
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松村 謙臣 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20452336)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 明細胞腺癌 / バイオインフォマティクス / 酸化ストレス / 代謝 |
Research Abstract |
1) 卵巣明細胞腺癌で高発現しているHNF1βが、癌細胞におけるGLUT1遺伝子発現を亢進させる事で、糖取り込み能を亢進させていることを明らかにした。このことは、癌細胞における糖代謝およびエネルギー産生能亢進、そして低酸素環境下における癌細胞の生存と密接に関わっていると考えられる。2) 卵巣明細胞腺癌において、HNF1β発現が、酸化ストレス環境下におけるアポトーシス耐性をもたらすことを明らかにした。このことは、卵巣内膜症性嚢胞という、強い酸化ストレス環境下における細胞の生存と、そこからの明細胞腺癌の発生のために、HNF1βが必須であることを示している。 以上1)2)の結果は、HNF1βが卵巣明細胞腺癌の発生と増殖に必須であることを示しており、HNF1β経路が新たな治療ターゲットになることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を始めるにあたって、卵巣癌において、明細胞腺癌とそれ以外の組織型を発現マイクロアレイによって比較し、その遺伝子発現プロファイル解析の結果、卵巣明細胞腺癌における糖代謝異常と、酸化ストレス耐性が、卵巣明細胞腺癌で高発現しているHNF1βによってもたらされると仮説を立てた。そして、その仮説を検証するための実験を行ったところ、予測通り、HNF1β分子が糖取り込みや、酸化ストレス耐性に関与していることが明らかとなった。このように、当初の研究の目的に従って研究を進め、仮説を証明できたため、おおむね順調に研究は進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
卵巣明細胞腺癌における、HNF1β発現亢進による糖代謝異常に関して、現在論文を投稿中である。酸化ストレス耐性に関しては、そのメカニズムを検証中であり、現在のところ、卵巣明細胞腺癌細胞株を用いた発現マイクロアレイのデータから、HNF1βが強力な抗酸化剤であるHO-1の発現を亢進させるのではないかと考えており、それを検証するための実験を遂行しつつある。すなわち、HNF1β遺伝子の過剰発現や、HO-1遺伝子の過剰発現・発現抑制を行い、Western blotting、chromatin immunoprecipitation、ルシフェラーゼアッセイによって、HNF1β分子がHO-1遺伝子の転写に与える影響を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子導入、抑制のための試薬、抗体、ルシフェラーゼアッセイのための試薬、論文投稿料、学会参加のために使用する予定である。
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[Journal Article] The activated transforming growth factor-beta signaling pathway in peritoneal metastases is a potential therapeutic target in ovarian cancer.2012
Author(s)
Yamamura S, Matsumura N, Mandai M, Huang Z, Oura T, Baba T, Hamanishi J, Yamaguchi K, Kang HS, Okamoto T, Abiko K, Mori S, Murphy SK, Konishi I.
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Journal Title
Int J Cancer.
Volume: 130(1)
Pages: 20-8
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] High-risk ovarian cancer based on 126-gene expression signature is uniquely characterized by downregulation of antigen presentation pathway.2012
Author(s)
Yoshihara K, Tsunoda T, Shigemizu D, Fujiwara H, Hatae M, Fujiwara H, Masuzaki H, Katabuchi H, Kawakami Y, Okamoto A, Nogawa T, Matsumura N, et al.
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Journal Title
Clin Cancer Res.
Volume: 18
Pages: 1374-1385
DOI
Peer Reviewed
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