2012 Fiscal Year Annual Research Report
子宮筋腫の増殖とエストロゲンレセプターα標的遺伝子のDNAメチル化異常
Project/Area Number |
23791846
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
前川 亮 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90598749)
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Keywords | 子宮筋腫 / DNAメチル化異常 / mRNA発現異常 / estrogen receptor / progesterone receptor |
Research Abstract |
子宮筋腫がestrogen/progesterone依存性に発症、進展することから、これまでにestrogen receptor/progesterone receptorの標的遺伝子に着目してDNAのメチル化異常を検討してきた。平成23年度の検討では、正常子宮筋層と子宮筋腫組織においてゲノムワイドDNAメチル化解析を行い、両者を比較することによって、子宮筋腫で低メチル化異常を呈するestrogen receptor/progesterone receptorの標的遺伝子18遺伝子と、高メチル化異常を呈する同50遺伝子を抽出した。 平成24年度の検討では前年度の実績報告書に記載の通り、3例の正常子宮平滑筋組織を追加してゲノムワイドDNAメチル化解析を行い、前年度の検討に加えて再解析した。さらに、抽出されたestrogen receptor/progesterone receptorの標的遺伝子の発現解析を行い、DNAメチル化異常かつ発現異常を呈する遺伝子の抽出作業を進めた。発現解析はマイクロアレイによる手法を用いて行った。これら解析により、低メチル化・高発現異常を呈するCOL4A1、COL6A3、RPL39、ZMAT3の4遺伝子を、また低メチル化・低発現異常を呈するOXTRを抽出した。更に、高メチル化・高発現異常を呈するBCAN、KIF5C、NPTX2、TFAP2C、SCIN、THBS2の6遺伝子と高メチル化・低発現異常を呈するOCIAD2、CRHBP、NUAK1、CCDC68、NR5A2、ELTD1、FAM162B、IGF2BP3、DAPK1、GSTM5、EZRの11遺伝子を抽出した。これら遺伝子には腫瘍の発生、進展に関わる遺伝子が多数含まれており、estrogen/progesterone依存性に発症する子宮筋腫の病因となっている可能性が高い。
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