2012 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜癌における新たなエストロゲン受容体伝達調節機序の解明と内分泌治療への展開
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23791849
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森 泰輔 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00569824)
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Keywords | 子宮体癌 / ホルモン依存性腫瘍 / エストロゲン受容体 |
Research Abstract |
子宮内膜癌の腫瘍学的特徴で最も重要な点はホルモン依存性でありその増殖や発癌にエストロゲンやプロゲスチンが深く関与する。今回申請の研究ではエストロゲン関連受容体(ERR)に着目し、その果たす役割について以下の方法で明らかにする。 1)ERRγ陰性子宮体癌細胞株におけるERRγのERE転写活性への影響をERRγ発現プラスミドとEREレポータープラスミドを用い、ルシフェラーゼアッセイにより検討した。2)子宮体癌細胞株にERRγを恒常的に発現させた細胞株を樹立しERRγの細胞増殖への影響をWST-8アッセイを用いて検討した。3)子宮体癌症例におけるERRγの発現について免疫組織化学的検討を行った。 ERα陽性のIshikawa細胞においてERRγはERE転写活性を抑制し、ERα陰性のHEC1A細胞においては逆に促進させた。Ishikawa細胞においてERRγは増殖を抑制したが、HEC1A細胞では逆に促進させた。またERRγアゴニストであるDY131はIshikawa細胞で増殖を抑制し、HEC1A細胞では促進させた。ERRγは83例中26例に発現していた。ERRγ陰性/ERα陽性例は予後良好の傾向があり、逆にERRγ陽性/ERα陰性例ではERRγ陰性/ERα陰性例に比し有意に予後不良であった。 子宮体癌においてERRγはERαを介したエストロゲン応答を調節し増殖に関与する。またERRγはERα陰性例において予後不良因子となることが判明した。
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