2011 Fiscal Year Annual Research Report
受精における膜融合因子の作用機序の研究と生殖医療への応用
Project/Area Number |
23791864
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
吉田 恵一 国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 研究員 (90365437)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 膜融合 / 受精 / 卵子 / エキソソーム / 配偶子 |
Research Abstract |
受精研究における膜融合過程では両配偶子の細胞膜分子を中心に解析が進められてきたが、膜融合の分子メカニズムの機構の全解明には至っていない。研究代表者らは「CD9の膜融合における生理的活性の解明」から、細胞膜外のCD9に着目し膜融合における卵子エキソソーム(エキソソーム:血液、リンパ球、体液等に見られる細胞外小胞)の精子への作用の重要性を示した。そこで本研究では精子と卵子と膜融合因子(卵子エキソソーム)を合わせた膜融合の分子メカニズムの解明を目的とし、【卵子エキソソームの構成成分の解析】、【卵子エキソソーム作用機序の機能解析】、【培養細胞を利用した人工エキソソームの開発】の三つを中心に進め、卵子エキソソームの構成成分および機能を明らかにし、最終的には生殖医療への応用を目指す。Honda Aら(2009)の論文を参考に、in vitroで卵巣から排卵をさせ、1匹あたり数百個の未成熟卵子を獲得し、成熟させ、培養上清からエキソソームを得た。また、大量に得たマウス卵子エキソソームと比較のために、膜融合能を示さないマウスES細胞のエキソソーム(予備実験により確認済み)を培養上清から回収した。また、大量に得たマウス卵子エキソソームと、ES細胞のエキソソームは、エキソソーム単離濃縮キット等で精製、濃縮を行った。そのサンプルを二次元電気泳動ディファレンシャル・ディスプレイとタンパク質同定を組み合わせた解析を行い、卵子エキソソームに特異的に存在する蛋白質のスクリーニングを行った。更に様々な細胞(たとえばT細胞、B細胞、棒状細胞、血小板、上皮細胞)から回収したエキソソームを受精培地に添加し、融合促進能を示す卵子以外のエキソソームを探索した。
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