2011 Fiscal Year Research-status Report
日本人子宮体癌におけるホルモン代謝遺伝子多型とリスク要因に関する分子疫学的検討
Project/Area Number |
23791866
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
細野 覚代 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部, 主任研究員 (80402600)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 遺伝子環境交互作用 / エストロゲン代謝関連遺伝子多型 / 子宮体癌 |
Research Abstract |
子宮体癌の多くはエストロゲン依存性腫瘍である。本研究では日本人女性における女性ホルモンの合成・分解に関わる種々の酵素 (CYP19A1、HSD17B1など) をコードする遺伝子の遺伝子多型・ハプロタイプを解析し、症例対照研究の手法を用いて子宮体癌リスクとの関連を明らかにする。1、研究対象者の選択:当部で実施している大規模病因疫学研究システム (以下、HERPACC)のデータベースより閉経後子宮体癌症例 (91例)と対照群として非がんの閉経女性 (261例)を選択した。2、生活習慣等の環境要因情報・臨床情報・病理学的情報の収集と確定:HERPACCデータベースより、選択された対象者の生活習慣(身体計測情報、運動情報、生殖歴など)を抜き出した。また、子宮体癌症例では診療科や病理部の協力のもと臨床情報・病理学的情報を収集した。3、サンプルの調整と解析する遺伝子多型の決定:選択された対象者の保存buffy coatより、DNAを抽出した。また解析を行う遺伝子多型としてCYP19A1遺伝子多型 (rs12148604, rs936306, rs752760, rs10046)、HSD17B1遺伝子多型 (rs605519, rs2830, rs2676530, rs676387, rs2676531, rs597255)、HSD17B2遺伝子多型 (rs4888202, rs6564961, rs2955160)、CYP17A1遺伝子多型 (rs743572)、PGR遺伝子多型 (rs10895068)、ESR1遺伝子多型 (rs6905370, rs827421)などを選び、現在プローブ作成を発注している。遺伝子型が決定された後、これらの遺伝子型と環境要因の遺伝子環境交互作用を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初解析予定であった遺伝子多型の中にはプローブデザインが困難な遺伝子多型が多く、業者との打ち合わせにやや長く時間がかかった。一方、HERPACCデータベースからの研究対象者の選択、生活習慣データや臨床病理学的データの収集、保存buffy coatからのDNA抽出は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在プローブ作成中で研究対象者も決定されているため、今後の研究計画を完遂できない可能性は低いと考えられる。しかし、これからも愛知県がんセンター研究所疫学・予防部部長田中英夫医師、同室長松尾恵太郎医師、同室長伊藤秀美医師らと研究計画・方法について協議をしながら研究を進行させていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在遺伝子型の解析がやや遅れており、そのため物品費や人件費が平成24年度に繰り越された。平成24年度に遺伝子型解析を実施する。さらに、エストロゲン代謝関連遺伝子多型と既存の子宮体癌の危険因子との遺伝子環境交互作用を調べるため統計解析を行う。
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