2011 Fiscal Year Research-status Report
カテゴリー知覚を用いた正常~軽度難聴高齢者の聴覚時間分解能の検討
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23791883
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
相澤 直孝 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60464012)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 聴覚時間分解能 / 有声開始時間(VOT) / カテゴリー知覚 / ギャップ検知閾 |
Research Abstract |
臨床の場で、正常~軽度感音難聴のみにもかかわらず語音聴取不良を訴える高齢者にしばしば遭遇する。このような場合は聴覚の周波数分解能が低下しているのみでなく、時間分解能の低下が原因である可能性が考えられる。聴覚時間分解能の変化が語音聴取能にどのような影響を与えているか調査を行っている。音声言語学では、有声閉鎖子音と無声閉鎖子音の違いは、声帯振動の開始までのタイミングの違いである。この声帯振動開始までの時間を有声開始時間(VOT)と呼び、VOTの変化にあわせて有声閉鎖子音と無声閉鎖子音を知覚しており、この知覚現象をカテゴリー知覚と呼ぶ。時間分解能が変化した場合カテゴリー知覚を生じるVOTにも変化を生じることが判明しており、この現象を用いて聴覚時間分解能の測定を行う。 2011年度は、測定に使用する0~70msのギャップを挿入した白色雑音、および0~70msのVOTを用いた/ba/-/pa/音節を専用のソフトウェアで開発することを計画した。白色雑音の開発は順調であり、現在は被験者に聴取させるための音響システムの作成を行っている。音響システムが完成しだい、被験者に聴取を行う予定である。/ba/-/pa/音節の作成に関しては、新潟大学工学部と連携しSTRAIGHT音声処理技術を基に現在も開発中である。/ba/-/pa/音節が作成され次第、白色雑音の音響システムに連動させて被験者に聴取を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年度は白色雑音ならびに/ba/-/pa/音節の作成が主な目的であった。白色雑音の作成は順調だが、/ba/-/pa/音節の作成が滞っており目的の達成度は予定よりやや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
白色雑音の音響システムを作成し、完成しだい被験者に聴取を行う。/ba/-/pa/音節の作成については新潟大学工学部との連携のみでなく、音声言語学者やソフトウェア開発会社とも連携し音声作成をすすめ、完成しだい被験者に聴取を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
/ba/-/pa/音節作成のための開発費や音響システムの構築のための備品購入を計画している。
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