2011 Fiscal Year Research-status Report
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23791887
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
福岡 久邦 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (90419391)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | メニエール病 / SNPs / 遺伝子 / ゲノム相関解析 |
Research Abstract |
「メニエール病」や最近注目されている「急性低音障害型感音難聴」など低音部が中心に障害される感音難聴は、その他の感音難聴と発症メカニズムや病態が異なると考えられているが現在までのところ良く分かっていないのが現状である。 低音障害感音難聴を呈するメニエール病の原因となる遺伝子多型を同定するために、信州大学が中心となって行っている「難治性内耳疾患の遺伝子バンク構築研究」と連携し、すでにインフォームドコンセントを取得のうえ、採血にて得られたメニエール病患者約96例のDNAサンプルを使用して遺伝子相関解析を行った。遺伝子多型の選択には、Hapmap Japan Projectのデータベースを参考にして、論文などでメニエール病との関連が指摘されているWFS1、アクアポリンやカリウムイオンチャネルなど10の候補遺伝子の多型を中心に、TaqMan genotyping法を用いて解析を行った。またコントロール群としては難聴を有さない健常ボランティア200名を用いた。その結果、解析したSNPsに関してはメニエール病患者群とコントロール群との間に有意差は認められなかった。今回使用したサンプルは96症例と少なく、また対象としたSNPの数も少なく、あくまでも予備解析の域をでない。今後、解析対象人数を増やすとともに、解析対象遺伝子を増やすことにより、メニエール病の発症に関与する遺伝子を同定することが可能となり低音障害型感音難聴のメカニズム解明が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画当初に報告されていたSNPsの解析を96名を対象に実施できた。今後症例数を増やす事でよりエビデンスの高い結果が得られると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度予備的にメニエール病患者100例を対象に実施した候補遺伝子の遺伝相関解析では有意に相関するSNPsをみいだすことが出来なかった。これは、症例数が少ないため検出力が不足していた可能性が強くしさされる。そこで、本年度は、解析症例数を300例まで増加させるとともに、メニエール病との関連が示唆されている候補遺伝子の対象をもう少し拡げてSNPsの解析を行う。具体的には虚血関連遺伝子、酸化ストレス関連遺伝子の解析を予定している。また、コントロールの解析数も300例まで増加させ、ある程度の検出力のある遺伝相関解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、解析症例数を300例まで増加させSNPsの解析を行うために必要なTaqMan genotypingのプローブおよびPCR試薬を追加で購入する。また、本年度解析した候補遺伝子が少なかった可能性もあるため、次年度は、メニエール病との関連が示唆されている候補遺伝子以外の虚血関連遺伝子、酸化ストレス関連遺伝子の解析を行うために必要なTaqMan genotyping に用いるプローブを購入する予定である。また、とりまとめた成果を発表するための交通費に使用する。
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Research Products
(6 results)