2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791894
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌倉 武史 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30600564)
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Keywords | 前庭機能 |
Research Abstract |
前庭神経系におけるTRPV1受容体の機能解析を行ってきたが、三叉神経節や後根神経節においてTRPV1と共発現し、相互作用が報告されているTRPA1受容体についても並行して解析することは前庭神経節におけるTRPV1受容体の機能解析をするうえで非常に重要であるとの認識に至り、TRPV1、TRPA1受容体の両方について解析を行ってきた。TRPA1受容体はTRPV1と同様に侵害刺激で活性化する受容体だが、冷温(17度以下)やアルカリで活性化するなど、高温や酸で活性化するTRPV1とは正反対の条件で活性化する。TRPA1受容体の前庭神経節における発現については未だ明らかにされておらず、もしTRPA1の前庭神経系での発現が明らかとなれば、TRPV1とTRPA1の共発現や相互作用が平衡覚への関与している可能性も考えられる。 平成23年度にTRPV1、TRPA1のいずれもRT-PCR法、in situ hybridization法、カルシウムイメージング法にて遺伝子の発現だけでなく、その局在や機能的発現についても概ね確認した。またカルシウムイメージング法ではTRPV1、TRPA1それぞれのアゴニストに対して同一細胞が応答したことから、同一細胞にTRPV1、TRPA1の両方が機能的発現している可能性が示唆された。今年度はこのカルシウムイメージング法を用いて、この両受容体が神経細胞の細胞膜上に発現していることを確認し、既に論文投稿中である。 また眼振誘発モデルについては塩化カリウム鼓室内投与モデルの確立を行い、カプサゼピン(TRPV1アンタゴニスト)などの投与で、眼振がどのように変化するかを解析しており、論文投稿を準備している。 ノックアウトマウスを用いた実験は眼振の観察が極めて困難なため、現在はもっぱらラットを用いて実験を行っている。
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