2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791899
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
淵脇 貴史 島根大学, 医学部, 助教 (10437543)
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Keywords | CD30 ligand / アレルギー性鼻炎 |
Research Abstract |
CD30 ligand (CD30L)とCD30は活性型CD4陽性T細胞に発現しており、その相互作用はT細胞の分化、増殖、成熟に関与している。前年度はアレルギー性鼻炎におけるCD30Lの役割をCD30L knock out(CD30L KO)マウスを用いて検討を行ったところ、CD30L/CD30シグナルを介したT細胞間相互作用はTh2細胞の分化、増殖、サイトカイン産生に関与し、アレルギー性鼻炎における反応相に非常に重要であることが示唆された。 今年度はT細胞間相互作用を阻害するCD30免疫グロブリン融合蛋白の点鼻により、アレルギー性鼻炎の反応が抑制されるかどうかについて検討を行った。野生型マウスにOVAを全身感作し、局所点鼻を行う前にCD30免疫グロブリン融合蛋白を点鼻する群とcontrol IgG1を点鼻したところ、CD30免疫グロブリン融合蛋白を点鼻した群でくしゃみ、鼻かきの回数の有意な低下がみられた。鼻粘膜組織中の好酸球数、リンパ球数もコントロール群と比較してCD30免疫グロブリン融合蛋白を点鼻した群で低下していた。さらに、CD30免疫グロブリン融合蛋白を点鼻した群における鼻粘膜のCD4陽性T細胞、好酸球、肥満細胞の減少と、所属リンパ節のCD4陽性T細胞、B細胞の数に有意な低下がみられた。 以上より、CD30L/CD30シグナルを介したT細胞間相互作用はTh2細胞の分化、増殖、サイトカイン産生に関与し、アレルギー性鼻炎における反応相に非常に重要であることが示唆された。さらに、CD30免疫グロブリン融合蛋白の局所点鼻が(全身の副作用なく局所のTh2細胞の活性化を抑え、好酸球浸潤を抑えることで)アレルギー性鼻炎の反応相を抑制することが示され、アレルギー性鼻炎の新しい治療法としての可能性が示唆された。
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