2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791902
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
稲本 隆平 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50581047)
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Keywords | 蝸牛内リンパ圧 / 前庭内リンパ圧 |
Research Abstract |
H23年度にイソプロテレノールを投与すると、前庭半規管においても内リンパ静水圧が上昇することの測定に成功したが、蝸牛内リンパ静水圧と比較して軽度であった。蝸牛では、正円窓アプローチを用いて、正円窓および基底板を貫いて鼓室階に電極を挿入し、蝸牛電位および内リンパ静水圧を測定するが、前庭半規管では、小孔を作成し、電極を刺入前庭半規管膨大部電位を測定したのち、刺入部のシールを行ってから前庭半規管の内リンパ静水圧を測定している。よって、蝸牛と前庭半規管での静水圧の差が測定手技によるものか確認する必要が生じた。 モルモット蝸牛骨壁に小孔を作成し、電極を挿入して蝸牛電位を測定したのち刺入部をシールしてイソプロテレノール投与して蝸牛内リンパ静水圧を測定を行い、それに成功した。蝸牛内リンパ静水圧は正円窓アプローチ及び側頭アプローチの両方で有意差は認めなかったため、蝸牛および前庭半規管のイソプロテレノール投与時の圧上昇の程度の差が測定手技によるものではないことが確認できた。 また、イソプロテレノール投与時の蝸電図を測定したが、明らかな変化は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
圧測定に使用しているWPI社製900Anicropressure systemはその測定原理より安定して圧測定を行うのが難しく、また骨壁の小孔より圧測定を行う場合に電極挿入後にスーパーボンドによるシールを行うが、スーパーボンドの成分が蝸牛・前庭半規管内腔に流入すると電位が変化するため、電位が変化しなようにシールををするのが難しい。これらの理由により実験の成功率が低く、時間がかかったためイソプロテレノール投与時の聴覚・平衡機能の測定が予定ほどは進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
イソプロテレノール投与時のABR、前庭誘発筋電図、DPOAEなどの聴覚および平衡機能検査を行い、さらに可能であれば他の薬剤投与時の蝸牛内リンパ静水圧の測定を行う。具体的には内リンパ水腫の治療薬である浸透圧利尿薬であるイソソルビドや
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年どもWPI社製900A micropressure sustemの消耗品および聴覚・平衡機能検査に必要な物品およびイソソルビドなどの試薬および手術時に使用する麻酔薬の購入また、研究用実験動物の購入、実験結果のデータ解析用機器に研究費の使用を計画している。
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