2011 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺未分化癌の治療法確立に向けて(SLE関連遺伝子Ifi202の治療への応用)
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23791904
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山内 盛泰 九州大学, 大学病院, 医員 (30572838)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | IFI16 / HPV / 甲状腺未分化癌 / 中咽頭側壁癌 |
Research Abstract |
平成23年度に当初予定していた研究内容は、甲状腺未分化癌細胞株の樹立と、その細胞株におけるサイトカイン等分子の発現の解析であったが、当院で治療を行った甲状腺未分化癌症例は無く、甲状腺未分化癌細胞株の樹立はできなかった。 並行してIFI16タンパク(p202タンパクのヒトアナログ)の甲状腺未分化癌における機能解析を行う予定であったが、細胞株が樹立できていないため、予備実験として、未治療頭頸部癌(下咽頭癌細胞株、中咽頭側壁癌切除標本)を用いて、IFI16(p202タンパクのヒトアナログ)の発現と治療反応性、予後に関する検討を行っている。また中咽頭側壁癌は近年、ヒト乳頭腫ウィルス(HPV)関連の場合に予後が良好であるということが注目されており、その分子メカニズムにIFI16タンパクが関与しているかについての検討を行っている。下咽頭癌細胞株において、IFI16mRNAの発現がみられることをRT-PCR法にて確認した。また、中咽頭側壁癌切除標本において、免疫組織学的な検討を行ったところ、発現のみられない症例から弱く発現するもの、比較的強く発現している症例とがあることが判明した。HPV感染との関連を検討するためにHPV感染によって発現が上昇するp16タンパクの発現を同様に検討したところ、発現のみられる症例とみられない症例とがあった。現在、症例数を増やして発現量の検討しているところであり、臨床的な治療反応性や予後との関連を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
甲状腺未分化癌症例が平成23年度内に当院で診断されなかったため、別の頭頸部癌(中咽頭側壁癌)における検討を行っているため甲状腺未分化癌における解析については進んでいない。そのため、他の頭頸部癌における予備実験を進めており、今後甲状腺未分化癌細胞、組織が得られた場合に速やかに検討を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
甲状腺未分化癌細胞、組織が得られたら、細胞株を樹立しサイトカイン等の免疫分子の発現を解析する。また、現在行っている中咽頭側壁癌におけるIFI16の機能の解析を進める。またHPV感染中咽頭癌が予後良好となっている分子メカニズムにIFI16がどのように関与しているのかについて検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
癌細胞株における検討を行うための細胞培養、RNA抽出、PCR、遺伝子導入試薬の購入。免疫染色を行うための試薬の購入。研究成果発表のための旅費、参加費。
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