2012 Fiscal Year Research-status Report
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23791913
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
喜友名 朝則 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10433103)
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Keywords | 痙攣性発声障害 / fMRI |
Research Abstract |
痙攣性発声障害(Spasmodic dysphonia:以下SDと略す)は、発声中の詰まりや途切れ、震えをきたす疾患であるが、原因に関しては局所ジストニアとする説が有力であるが、いまだ確定的ではない。現在我々は脳機能の観点から本疾患に対して研究を行っている。これまでSiemens社の1.5TのMRIにて実験を行い、健常人6名、SD6例に対して検討を行った。発声によるアーチファクトを最小限にするように事象関連デザインを用いて研究を行った。SD症例では健常人と比較して、一次聴覚皮質、運動性言語野、下前頭小葉、両側島、小脳でより高い賦活を認め、左一次体性感覚野、両皮質下核( 被殻、淡蒼球)で低い活性を認めた。SDが中枢性の疾患であることが証明された。これはこれまでの他のSDにおける脳の賦活異常部位と同様であった。ただし、賦活の増減に 関しては報告で一定していなかった。年齢構成や罹病期間、タスクの選定などが脳機能賦活部位に関係している可能性も考えられた。新しい3TのMRIになってからタスクをこれまでの「いー」のみから「いーい。いーい。」「数字を読み上げる」の3つにした。より声の悪化を誘導するタスクを検討し新しく現在研究を行っている。その成果は学会発表、論文に投稿している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度まではMRI装置の入れ替えのため以前の研究症例がストップしていたが、今年度は新しい装置を使用し着実に症例を増やせている。ただし、痙攣性発声障害症例自体が少ないため、今後も症例の蓄積が必要である。痙攣性発声障害以外の症例に関してもfMRIを用いた実験を行えており、痙攣性発声障害との違いなどについての検討も進んできている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらにSD症例を増やしていき、3つのタスクに関して検討する。さらに手術を施行した症例に関しても治療後にも再度脳機能検査を行い、治療前と比較する。そのことでSDに脳機能のどの部分が深く関わっているかを検討する。今後は着実に症例を増やしていく努力をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験周辺機器、サーバーなどに約100万円、学会出張、論文作成に約50万円使用する予定。
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